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「基礎をやってからじゃなきゃ無理?」というコメントに、音楽の道を歩んできた私があえて伝えたいこと

こんにちは。ピアノノギフトの湖苗美です。
今日は、TikTokやInstagramでときどきいただく
「こういう曲は基礎をやってからじゃないとダメじゃない?」
「こんな難しそうな曲、未経験の子には無理でしょ?」

という声について、正直な気持ちを書きたいと思います。

私は3歳でピアノを始め、
小学生からコンクールを受け、
中学生では音楽高校の受験のために放課後も休み時間も練習し、
高校では誰にも言わず早朝に学校へ行き“朝練”をし、
大学生ではナイトパックを使って練習室にこもり、
寝る時間を削ってまで練習し続け、
国内最大級のコンクールでファイナルで入賞するまで進んだ経験があります。

いわゆる、「基礎ゴリゴリの人間」です。
基礎・技術・積み上げ・努力至上主義の世界で育ってきました。

そんな私だからこそ、 あえて言いたいことがあります。


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◆ 結論:基礎は大事。でも、もっと大事なのは「本人が欲したタイミング」

誤解のないように最初にお伝えすると、
基礎練習はとても大切です。
これは事実です。
基礎力があると、できる表現の幅も、弾ける曲の種類も、理解度も格段に変わります。

でも同時に、もうひとつの真実があります。

基礎は「本人が上達したい」と願った瞬間に、 一気に吸収されます。

そしてさらに正直に言うと、 本人が望んでいない時期の基礎練習ほど効率の悪いものはありません。

これは、厳しい音楽世界を歩んできた私だからこそ、 強く実感していることです。


◆ 私が見てきた「嫌々の基礎練習」がもたらす副作用

幼少期から音大の世界まで、たくさんの生徒を見てきました。
そして、こんなケースを何度も目撃しました。

● 親や先生に言われて嫌々やっている子ほど、伸びない
● 基礎の意味を理解していないから、反発する
● 音楽そのものが「苦しいもの」になる
● 練習=怒られる・褒められない の記憶が積み重なる

基礎練習は「気持ち」がとても大きな影響を与えます。
なぜなら、基礎は地味で、反復で、変化がゆっくりだからです。

大人でもそうですよね?
望んでもいない仕事の基礎研修を何時間も聞かされたら地獄です。 「なんでこれやる必要あるの?」 「今の私には関係ないでしょ…」 と、反発したくなりませんか?

それと同じことが、子どもにも起こります。
むしろ、大人以上にストレートに表れます。


◆ 逆に、「本人が望んだ基礎」は吸収率が100倍になります

これも、私は何度も何度も見てきました。
本人が「弾きたい!」「うまくなりたい!」と思った瞬間、 基礎はスポンジのように吸収されます。

例えば、
・アニメの曲を弾きたい ・友達に披露したい ・発表会でカッコよく弾きたい ・好きなキャラクターの曲に挑戦したい ・先生に「おぉ〜!」って言われたい

そういう“内側から湧き出た目的”があると、 子どもは自ら「指番号って大事なんだね」「ゆっくり練習した方が上手に弾ける!」と気づきます。

この“自分で気づく”が大切で、 外側から与えた基礎練習よりも、 何倍も深く、何倍も早く身につきます。


◆ 「憧れの曲」に挑戦することは、基礎を壊すどころか“基礎の入口”になる

SNSでのコメントに
「こんな曲は基礎ができてからじゃないとダメじゃない?」
という声があります。

でも実際は、まったく逆です。

● 憧れの曲を弾く → 喜びが生まれる
● 喜びが生まれる → 練習したくなる
● 練習したくなる → 「もっと上手くなりたい」気持ちが芽生える
● 気持ちが芽生える → 自分から基礎に向かう

つまり、
憧れの曲は、基礎への入口になる
のです。

ピアノノギフトでは、幼児さんでも憧れの曲を
「超かんたんアレンジ」で体験してもらっています。
すると自然と、こうなるんです。

「もっときれいに弾きたい!」
「どうしたら上手になる?」
「これって右手だけだとキレイだけど、左手あるともっとかっこいい?」

こういう気持ちが出てきたら、 そこが“基礎のタイミング”です。


◆ 「基礎は後からでも間に合う」ことを、私は身をもって知りました

ここから少し、私自身の経験をお話しさせてください。

私は幼児期から「超・基礎の世界」で育ちました。
でも、意外かもしれませんが、 ちゃんと“基礎の意味”を理解したのは10代後半でした。
理由は簡単で、
それまでは“言われてやっていた”だけだったから。

本気で“もっと上手くなりたい”と自分で感じたときに、
初めて、ハノンの意味も、指づくりの重要さも、 脱力の感覚も、理解できるようになりました。

つまり、基礎は後からでも十分間に合うのです。 後から取り戻せる。 むしろ、そのほうが吸収率が高い。

だから私は、
「基礎は本人が望んだタイミングでいい」
と心から思っています。


◆ 基礎の前に必要なのは「音楽が好き」「楽しい」の土台

どんなに立派な家でも、土台が弱ければ崩れてしまいます。
ピアノの基礎も同じです。

● 弾けた喜び
● 音を出すワクワク
● 誰かに聴かせたい気持ち
● 自分で選んだ曲への誇り

この「楽しい」「もっとやりたい」の土台が、 後の基礎練習の支えになります。

逆に、 「基礎が先」「曲は後」という順番は、 大人には正しいように見えても、 子どもにとっては苦痛になってしまうことがあります。

音楽の入り口は、楽しさでいい。 むしろ楽しさであるべきだと、私は思っています。


◆ 子どもには子どもの“順番”がある

ピアノは、 大人の論理で順番を決めると、うまくいかない ことが多い習い事です。

大人はこう思いがちです。
「基礎 → 小曲 → 憧れの曲」 でも子どもはこうです。
「憧れの曲 → 喜び → 意欲 → 基礎 → 成長」 順番が違います。

だから、 子どもの順番を、尊重してあげたい。

基礎は逃げません。 必要になったとき、自分から取りに行きます。 その瞬間が一番強いタイミングです。


◆ 基礎を無理に早くやらせると、むしろ遠回りになることも

本人の心が育っていないうちに基礎を押し込むと、 こんなことが起こります。

  • 「音楽=苦しい」になる
  • 練習習慣がつかない
  • できた喜びを経験していないから折れやすい
  • 基礎の必要性を理解できず反発が起きる

これでは、せっかく基礎をやっても逆効果になってしまいます。

だからこそ私は、 最初は「好き」の火をつけることが最優先だと思っています。


◆ ピアノノギフトが“曲先行型”である理由

SNSでの反応を見ても、 “憧れの曲を超かんたんに体験できる動画”は本当に好評です。
コメントやDMを見るたびに、 「好きから始まるピアノって、やっぱり素敵だな」 と毎回感じています。

ピアノノギフトではこう考えています

① まずは憧れのミニフレーズに挑戦
② 「できた!」「楽しい!」を感じる
③ 「ここの音がなんか弾きづらいな」→ 子どもから疑問が湧く
④ 「じゃあ、指番号に気をつけてみようか?」など基礎を提示
⑤ 子どもが自分から基礎に向かい始める

この流れが自然で、美しくて、子どもの成長にとって最も負担が少ないのです。


◆ 基礎とは「強要されるもの」でなく「育つもの」

基礎を“技術”だけだと思っている方も多いですが、 本当の基礎はもっと深いところにあります。

基礎とは、 姿勢 呼吸 耳 心 モチベーション 実体験 成功体験 自己効力感 好奇心 音への愛着

こうした「内側の土台」がしっかり育った子は、 あとから技術を入れたときに伸び方が全く違います。


◆ 最後に:基礎は“逃げません”

私は、3歳からの基礎、
10代の努力、 20代の修行、 音楽家としての濃密な経験を経てきました。 そのすべてを踏まえて、今は心からこう思っています。

基礎は「やりたい」と心が動いた瞬間に、 一生ものの力として吸収されます。

だから、焦らなくて大丈夫です。 親が急がなくても、子どもは伸びます。 順番を間違えなければ、必ず伸びます。

「好き」→「やりたい」→「もっと上手くなりたい」→「基礎」
この順番こそ、子どものピアノを一番美しく育てる道です。

お子さんのペースには、その子だけのリズムがあります。 どうかそのリズムを信じて、一緒に育ててあげてください。

これからも、ピアノノギフトでは 「好きの火」を守りながら、 お子さん自身が“基礎を欲する瞬間”まで丁寧に寄り添っていきます。

長い記事を読んでくださり、本当にありがとうございました。
あなたとお子さんに、やさしい音のギフトが届きますように。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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