「ピアノをやらせるのは親のエゴ?」
そんな言葉を目にしたとき、胸がぎゅっと苦しくなりました。
でも同時に、その迷いこそが “あなたが優しい親である証拠” だと私は思っています。
これは、ピアノ講師である私が、長年ずっと心に抱いていた答えを綴ったブログです。
■「ピアノをやらせるのは親のエゴ?」との出会い
ある夜、SNSに寄せられたコメントが目に止まりました。
「ピアノをやらせるのって、結局は親のエゴでしょ?」
その言葉は、否定のトゲより、長い間抱え続けた迷いが溢れたような、
そんな温度のある一言でした。
この一言には、たくさんの保護者の方々が抱える不安が詰まっています。
- これは本当に子どものため?
- 私の願望じゃない?
- 続かなかったら可哀想?
- 親の押しつけになっていないかな……?
この迷いは、私は“とても健全”だと感じます。
迷えるほど、お子さんのことを真剣に想っている証拠だからです。
■ひとりのピアノ教師としての前に、ひとりの人として
保護者さんの不安を見ると、私はまずこう思います。
「その迷いを持てるあなたは、もう十分に優しい親です」
本当にエゴなら、迷いは生まれません。
迷いがあるということは、お子さんの人生を尊重している証拠です。
■私自身のピアノ人生:基礎と努力の世界で育った子ども
私は3歳でピアノを始め、小学生でコンクールへ。
中学生では音楽高校の受験のために、毎日休み時間も練習、
高校では朝練、大学時代はナイトパックで夜通し練習しました。
国内最大級のコンクールで入賞するまで、 私は「基礎と努力」で育ったタイプの人間です。
でも、そんな私でも思います。
親がピアノを習わせてくれなければ、私は音楽に出会えなかった。
だから、ピアノを習わせる選択を“ただのエゴ”とは思えないのです。
■「エゴ」と「愛」の境界線はとても薄い
心理学でも言われていることですが、
エゴと愛の境界線はとても曖昧です。
- 世界を広げてあげたい
- 表現力を育てたい
- 自信につながる経験をさせたい
- 音楽を楽しむ心を持ってほしい
こうした願いは、すべて「子どもの未来」を想った愛です。
■ピアノを習わせることは「エゴ」ではなく「きっかけの提供」
ピアノは人生を縛りません。
ピアノは人生の選択を奪いません。
ピアノとは――
子どもの人生の“選択肢を増やす道具”です。
保護者さんがピアノを選ぶ理由の多くはこうです。
- 集中力をつけたい
- 自己肯定感を育てたい
- 親子で楽しめるものがほしい
- 表現力が伸びるといいな
- この子の笑顔が見たい
これはエゴではありません。
“Nurturing(はぐくむ)”という、とても美しい行為です。
■では「本当のエゴ」とは何か?
あえて言うなら、こうです。
- 嫌がっているのに強制する
- 親のコンプレックスを背負わせる
- 世間体のためだけに選ぶ
- 子どもの声を聴かずに決めつける
でも、私の教室に来てくださる保護者のほとんどは、
そんな方ではありません。
むしろ皆さん、
「これって大丈夫なのかな…」
と悩みながら丁寧に子育てをされています。
■子どもは“親に与えてもらったきっかけ”から世界を広げていく
子どもは、大人が作ってくれた道から世界を知ります。
- 保育園も
- 絵本も
- 英語も
- スイミングも
- ピアノも
最初の選択者は、いつだって親御さんです。
だからこそ私は、
その選択をただ“エゴ”と呼びたくない。
■ピアノ教育の専門家として、確信していること
私はピアノ講師として多くの子どもを見てきて、
確信していることがあります。
ピアノは子どもの人生を豊かにする “道具” になり得る。
- 自信の源になる子
- 自己表現の手段になる子
- 努力を知る場になる子
- 心の拠りどころになる子
- 親子の思い出になる子
ピアノは、人生に“痛み”ではなく“温もり”を残す習い事です。
■親にできるのは「道を作ること」であって「歩き方を決めること」ではない
- 道を作るのは親
- 歩くのは子ども
途中で辞めてもいい。
続けてもいい。
本気になってもいい。
別の道に行ってもいい。
それはすべて「その子自身の選択」です。
■辞めることは失敗ではない。経験しただけで、もうギフト。
「せっかく習わせたのに辞めたら…」
そんな声もよく聞きます。
でも私は断言できます。
辞めることは失敗ではありません。 経験したという事実が、すでに宝物です。
音楽は、一度触れたら一生残ります。
それだけで十分すぎるほど価値があります。
■迷える親御さんへ。あなたの心はエゴではありません。
迷いがあるということは、
- 子どもの声を聞こうとしている
- 子どもの未来を想っている
- 自分の気持ちを整理しようとしている
ということ。
これは、エゴの逆です。
これは「愛」の形です。
■最後に ― ピアノノギフトの答え
ピアノノギフトの理念は
「音楽を通して、親子の心を豊かにする」
ピアノの上達より前に、 “ピアノが親子のギフトになること”を大切にしています。
あなたが選んだこの一歩は、
きっとお子さんの心に
温かい灯りとして残ります。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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