練習のたびにけんかになるのは、ママのせいではないです
「そこ違うよ」って言ったら急に機嫌が悪くなって。
ちょっと指摘しただけなのに、なんでそんなに怒るの?ってなって。
最終的にけんかになって、もう練習どころじゃなくなって…
このお悩み、本当に多くの保護者の方から届きます。
「私の言い方が悪いのかな」「私だけかな」って思っているかもしれないけど、全然そんなことないですよ。
今日はなぜそうなるのかと、じゃあどうすればいいかを、一緒に考えていきたいと思います。
まず、これはあなたのせいじゃないです
最初にこれだけ言わせてください。
「私の言い方が悪かったのかな」「もっとうまく伝えれば怒らなかったかな」——そう思って自分を責めているママ、すごく多いんです。でも、ママが指摘すると子どもが怒る、というのはほぼすべての家庭で起きていることで、ママの言い方や接し方の問題じゃないことがほとんどなんです。
なぜそうなるのかを知るだけで、気持ちがずいぶん楽になると思うので、少し一緒に考えてみましょう。
「そこ違うよ、もう一回」→子どもが「わかってる!」と言って機嫌が悪くなる
「ちゃんと楽譜見て」→「見てるし!」→「見てないじゃん」→口論に発展
何も言わなかったら今度は「ちゃんと聴いてる?」と言われる…もう何も言えない
どれかに当てはまりますか? これ、あなたの家だけじゃないです。
「ママが言うと怒る」のは、なぜ起きるのか
先生が言うと素直に聞くのに、ママが言うと怒る——このギャップ、不思議ですよね。でもここにちゃんと理由があります。
先生とママでは「関係性」がまったく違います
先生はレッスンの時間だけ関わる「特別な人」です。でもママは、ご飯もお風呂も学校の送り迎えも、毎日のあらゆる場面で関わる人。
子どもにとってピアノの練習も「日常のひとつ」になるので、普段の親子関係がそのまま持ち込まれてしまいます。先生から「そこはこう弾いてみよう」と言われると素直に受け入れられるのに、ママに同じことを言われると反発するのは、内容の問題じゃなくて「誰が言うか」の問題なんです。
子どもは「ママの前では本音が出る」と知っています
先生や友達の前では頑張るのに、ママの前ではぐずったり反発したりする。これって実は、ママのことを一番安心できる相手だと分かっているからなんです。甘えられる場所があるから、外では頑張れる。
「私にだけ反発する」のは、それだけ信頼されているということでもあって。悔しいけれど、ちょっとだけそう思えると、気持ちが楽になりませんか。
「ママが教えようとする」のは、実はとても難しいことだと思っています。同じ言葉でも、先生が言うと伝わって、ママが言うと怒る——これはよくあることで、ママの言い方の問題じゃないことがほとんどです。
だからこそ、「ママは教えない」という選択が、実はとても有効なんです。ちょっと聞いてもらえますか。
「指摘しない」という選択が、一番の解決策です
「でもそれだと上手にならないんじゃ…」って思いますよね。でも少し考えてみてほしくて。
ママが指摘することで子どもが怒る→けんかになる→ピアノの時間が嫌な記憶になる——この積み重ねの方が、上手にならないことよりずっと問題だと思っています。
弾き方の指摘は、先生に任せてしまいましょう
「そこ違う」「ちゃんと見て」「もう一回」——この言葉は、全部先生に任せてOKです。それが先生の仕事なので。
ママがその役割を担おうとするから、ふたりの関係に「指導者と生徒」という軸が生まれてしまう。その軸がけんかを生みやすくするんです。
ママは「聴く人」でいるだけで、十分です
じゃあママは何をすればいいか。答えはシンプルで、「聴いてあげること」だけで十分です。
弾き終わったあとに「聴いてたよ」「ここが好きだった」と言う。それだけ。正しいか間違っているかじゃなくて、弾いてくれたことに反応してあげる。それが、子どもの「また弾きたい」につながっていきます。
× けんかになりやすい言葉 「そこ違う、もう一回」
◎ 聴く人としての言葉 「なんか難しそうなところだね。先生にどう教えてもらった?」
× けんかになりやすい言葉 「ちゃんと楽譜を見て弾いて」
◎ 聴く人としての言葉 「今日どの曲やったの? 聴かせてくれる?」
× けんかになりやすい言葉 「さっきより下手になってない?」
◎ 聴く人としての言葉 「なんかここの部分、かっこよかったよ」
× けんかになりやすい言葉 「弾き方おかしくない? 先生に何か言われなかった?」
◎ 聴く人としての言葉 「先生、今日なんて言ってた?」
気づきましたか? ◎の言葉は全部、「評価しない・教えない・ただ聴く」になっています。これだけで、けんかになる回数がぐっと減ります。
💬 Sさん(7歳のお子さんをお持ちのママ)
「指摘するのをやめて、ただ聴くだけにしたら本当に変わりました。弾き終わったあとに『ここが好きだった』って言うだけにしたら、子どもが自分から『もう一回弾く』って言うようになって。こんなに簡単なことだったのかって思いました」
「先生に任せる」ことへの罪悪感、手放していいです
「でも、ちゃんと教えてあげないと申し訳ない気がして」「月謝払ってるのに練習させられなくてダメなママみたいで…」そんな気持ちになることもあると思います。
でも、考えてみてほしいんです。練習のたびにけんかになりながら無理に続けることと、指摘はしないけれど毎週楽しくレッスンに来ること——どちらが長い目で見てお子さんのためになるか。
ピアノが嫌いになる一番の原因は、「練習が義務になること」です。ママが教えようとすることで義務感が強まると、レッスン自体が嫌になってしまうことがある。それが一番避けたいことなので。
🎹 ママにできる、一番のサポートはこれです
- 弾き終わったら「聴いてたよ」と言う……それだけで子どもの自己肯定感が育ちます
- 「先生にどう教えてもらったの?」と聞く……子どもが先生になって教えてくれます。アウトプットが一番の復習に
- 指摘したくなったら、先生に連絡する……「家でこういうことが気になっています」と伝えると、次のレッスンで対応します
- 「弾けた瞬間」を一緒に喜ぶ……「できたじゃん!」のひとこと、これが最強の練習動機です
「家で全然練習できていない」でも、大丈夫です
「練習させられていなくてすみません」と申し訳なさそうに相談してくれるママが、本当に多いんです。でもこれだけは伝えさせてください。
家での練習ができていない週でも、レッスンには来てくれている。それで十分です。毎週のレッスンで「音楽が楽しい」という感覚を育てることが私の仕事なので、家での練習はそれを支えるものであって、なくてはならないものではありません。
けんかになってまで練習させるより、けんかにならない関係を保つ方が大切です。指摘はレッスンで私がします。ママは「聴いてくれる人」でいてください。それが、お子さんにとって一番の環境だと思っています。
💬 Tさん(6歳のお子さんをお持ちのママ)
「指摘をやめてから、私自身がピアノの時間を楽しめるようになって。子どもの演奏を純粋に聴けるようになったんです。上手かどうかじゃなくて、弾いている顔を見るのが好きになりました」
🎹 この記事でお伝えしたこと
- ママが指摘すると子どもが怒るのは、ママのせいじゃない。関係性の問題
- 子どもがママにだけ反発するのは、一番の安心できる相手だから
- 弾き方の指摘は全部先生に任せてOK。ママは「聴く人」でいるだけで十分
- 「評価しない・教えない・ただ聴く」——この3つで、けんかが激減します
- 家で練習できていなくても大丈夫。けんかしない関係を守ることの方が大切
♩ ♪ ♫ ♬
🎹
「家で練習できていなくて…」
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