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子どものピアノコンクール|感性を大切にしながら成長の場にするために

「そろそろコンクールに出てみませんか?」

ピアノの先生からこう提案されて、うれしい気持ちと同時に「うちの子、大丈夫かな」と不安になった経験はありませんか。コンクールと聞くと、華やかなステージや表彰式を思い浮かべる一方で、厳しい練習や結果に対するプレッシャーを想像する方も多いと思います。

私はピアノの先生として、コンクールそのものを否定する立場ではありません。ただ、子どもたちの感性がいちばん豊かに育つこの時期に、コンクールとの関わり方を間違えてしまうと、音楽を楽しむ心が損なわれてしまうこともあります。

この記事では、近年広がっている「コンクールビジネス」の実態に触れながら、子どもの感性を守りつつ、コンクールを成長の場として活かすための考え方をお伝えします。

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ピアノコンクールの世界で起きていること

ここ数年、子ども向けのピアノコンクールの数はとても増えています。地域の小さなコンクールから全国規模のものまで、選択肢は年々広がっています。

コンクールが増えること自体は、子どもたちにとってチャレンジの場が増えるという意味では良いことです。しかし、その一方で「コンクールビジネス」とも呼ばれる構造が生まれていることも、知っておいていただきたいと思います。

参加費、衣装代、追加レッスン代、遠方への交通費――コンクールに出るたびに費用がかさむご家庭は少なくありません。コンクールの中には、参加者が多いほど運営側の収益が大きくなるしくみのものもあります。

すべてのコンクールがそうだとは言いませんが、「出ること自体が目的」になってしまうと、お子さんにとっても保護者の方にとっても負担が大きくなります。

大切なのは、「なぜこのコンクールに出るのか」という目的を、親御さん自身がはっきり持っておくことです。周りが出ているから、先生に勧められたから、という理由だけで決めてしまうと、気づかないうちに「コンクールに振り回される」状態になってしまうことがあります。

順位をつけることが、子どもの感性を奪うとき

子どもの時期は、音楽の感性がいちばん豊かに育つ大切な時間です。好きな曲を見つけたり、自分なりの表現を試してみたり、音の響きに心を動かされたり。こうした経験の積み重ねが、その子だけの「音楽」をつくっていきます。

ところが、コンクールでは演奏に順位がつきます。「あの子より上」「あの子より下」という評価が、どうしてもついてまわります。

「あの子は金賞だったのに、うちの子は入賞できなかった」「もっとミスなく弾かないと勝てない」

こうした比較や優劣の意識は、気をつけないとお子さんの心に深く入り込みます。「間違えたらどうしよう」「入賞しなきゃいけない」という気持ちが強くなると、のびのびと音楽を感じる余裕がなくなっていきます。

また、コンクールにはそれぞれ「評価されやすい演奏スタイル」があります。審査員に好まれる弾き方を追い求めるうちに、その子らしい表現や個性が薄れてしまうこともあります。これは、感性を育てるという観点から見ると、とてももったいないことです。

音楽には本来、「正解」も「1位」もありません。感性が育つこの時期にいちばん大切なのは、他の子と比べることではなく、その子自身が音楽を楽しみ、自分なりの表現を見つけていくことです。

それでもコンクールが「成長の場」になるとき

ここまでコンクールの注意点をお伝えしましたが、コンクールがすべて悪いわけではありません。使い方次第で、お子さんにとって大きな成長のきっかけになることも事実です。

コンクールが「成長の場」になるのは、こんなときです。

・ ひとつの曲をじっくり仕上げる経験ができたとき

・ 人前で演奏する緊張感を乗り越えたとき

・ 「ここまでがんばれた」という達成感を味わえたとき

・ ほかの子の演奏を聴いて、新しい音楽に出会えたとき

つまり、コンクールの価値は「結果」にあるのではなく、「そこに向かう過程」と「ステージに立つ経験」にあります。

「勉強の場」「成長の場」として意図的に活用する。その目的がはっきりしていれば、コンクールはお子さんにとって意味のある経験になります。逆に、入賞することだけが目的になってしまうと、音楽を楽しむ気持ちが後回しになってしまう危険があります。

コンクールと上手に付き合うために、親ができること

お子さんがコンクールに関わるとき、親御さんの向き合い方がとても大切です。ここでは、私がいつも保護者の方にお伝えしていることを3つご紹介します。

① 結果よりも、そこまでの「過程」を見てあげる

入賞できたかどうかよりも、「毎日コツコツ練習をがんばったこと」「苦手な部分に向き合ったこと」「最後までステージで弾ききったこと」を認めてあげてください。結果は審査員の好みや当日のコンディションにも左右されます。でも、がんばった過程はお子さん自身のものです。

「がんばったね」「すてきな演奏だったよ」。その言葉だけで、お子さんは「出てよかった」と思えます。

② ピアノの先生とよく相談する

コンクールに出るかどうか、どのコンクールを選ぶか。こうした判断は、お子さんの今の段階や性格を理解している先生と一緒に考えるのがいちばんです。

「うちの子にはまだ早いかな」「このコンクールはレベルが合っているかな」――そんな疑問があれば、遠慮なく相談してみてください。お子さんにとってベストなタイミングと場を、一緒に探していけます。

③ いちばん大事なのは、子ども自身の気持ち

「出てみたい」とお子さん自身が思っているかどうか。ここがいちばん大切です。

親御さんが「出たほうがいい」と思っていても、お子さんが乗り気でないなら、無理に出る必要はありません。逆に、お子さんが「やってみたい」と言ったなら、その気持ちを全力で応援してあげてください。

コンクールは、あくまでお子さんの音楽人生のなかの「ひとつの経験」です。出ても出なくても、ピアノを楽しむ気持ちが育っていれば、それでいいんです。

「またやってみたい」と思える経験にするために

コンクールに出たあと、お子さんが「またやってみたい」と思えたなら、それは素晴らしい経験だったということです。逆に、「もうピアノ弾きたくない」と感じてしまったなら、何かが無理になっていたのかもしれません。

私がレッスンで大切にしているのは、お子さんが音楽を「楽しい」と感じ続けられることです。コンクールも、その延長線上にあるべきだと思っています。

行きすぎたコンクールビジネスに巻き込まれず、でもお子さんの成長にとって意味のある経験として活かす。そのバランスを見つけるために、この記事が少しでもお役に立てたらうれしいです。

音楽は、誰かと競うためのものではありません。お子さんの中にある感性を、のびのびと育てていくことがいちばん大切です。そのうえで「チャレンジしてみたい」という気持ちが芽生えたとき、コンクールは最高の成長の場になります。

ピアノノギフトでは、お子さん一人ひとりの気持ちとペースを大切にしたレッスンを行っています。
コンクールへの参加についても、ていねいにご相談に応じます。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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