「イヤ!」「自分でやる!」「違う、そうじゃない!」
毎日のイヤイヤに、もうヘトヘト…というママ、多いですよね。
でも、もしその「激しさ」が、実はピアノにぴったりの才能だとしたら?
今日は、イヤイヤ期が激しいお子さんが持っている力と、それがピアノでどう花開くかをお話しします。
イヤイヤ期が激しい子を育てていると、「うちの子、大丈夫かな」と不安になることがありますよね。
周りの子がおとなしく座っているのに、うちの子だけ「イヤ!」と泣き叫んでいる。買い物先で寝転がる。靴下の左右が違うだけで大号泣。
「なんでこんなに激しいんだろう…」と思うこと、ありませんか。
実は、その「激しさ」の中に、ピアノに活きるたくさんの才能が隠れているんです。
イヤイヤ期が激しい子の「3つの特徴」
イヤイヤ期が激しいお子さんには、こんな特徴がありませんか?
「自分でやりたい!」が強い
靴を自分で履きたい。コップを自分で持ちたい。手伝おうとすると怒る。この「自分でやりたい」は、自立心の芽生えです。
こだわりがとても強い
お気に入りのスプーンじゃないとダメ。いつもの順番じゃないと怒る。このこだわりは、「自分の中のルール」を大切にする力です。
感情の波が大きい
さっきまで泣いていたのに、急にケラケラ笑う。喜びも怒りも全力。この感情の豊かさは、表現力そのものです。
ママから見ると「大変」に見えるこれらの特徴。でも、角度を変えて見ると、ぜんぶピアノに必要な力なのです。
その「激しさ」がピアノで活きる理由
では、イヤイヤ期の「激しさ」は、ピアノでどう活きるのでしょうか。
「自分でやりたい!」→ 自分から練習する子になる
ピアノは「自分で弾けるようになりたい」という気持ちがいちばんの原動力です。「やって」と言われてやるのではなく、「自分で弾きたい」と思える子は、練習を続けられます。「自分でやる!」が強い子は、この原動力をもともと持っています。
こだわりの強さ → 細部まで丁寧に仕上げられる
「ここはもっとこうしたい」「この音はこう弾きたい」。ピアノの上達には、細かいところにこだわる力がとても大切です。靴下の左右にこだわれる子は、音のひとつひとつにもこだわれます。
感情の豊かさ → 心に響く演奏ができる
ピアノは「正しく弾く」だけでは人の心に届きません。楽しい曲は楽しそうに、悲しい曲は切なく。感情を音にのせる力こそが、聴く人の心を動かします。感情の波が大きい子は、この表現力の種をたくさん持っているのです。
なぜなら、ピアノという楽器は「自分の意志」「こだわり」「感情」のすべてを使って演奏するものだからです。おとなしくて従順な子だけが向いているわけではありません。
「座れなかった子」が3か月後に見せてくれたもの
私の教室に通ってくれている3歳の男の子のお話です。
体験レッスンのとき、その子はまず椅子に座りませんでした。ピアノの周りをぐるぐる歩き回り、鍵盤をバンバン叩き、「これじゃない!」と何度も言いました。
ママは「すみません、イヤイヤ期がひどくて…」と申し訳なさそうでした。
でも、私はその子のことを「この子、とてもおもしろいな」と思っていました。
なぜなら、鍵盤を叩いているとき、高い音と低い音をちゃんと聴き分けていたからです。「こっちの音がいい」と自分で選んでいた。
3か月後、その子は椅子に座って、自分で選んだ「ド」の音を得意げに弾くようになりました。「これ、僕が見つけた音」と言いながら。
イヤイヤ期の「これじゃない!」は、裏を返せば「自分の好きなものを知っている」ということ。それは、音楽の世界ではとても大切な感覚です。
イヤイヤ期でもレッスンできるの?
「うちの子、イヤイヤがひどすぎてレッスンなんて無理じゃない?」
そう思いますよね。私もよく聞かれます。
正直に言うと、イヤイヤ期真っ最中のレッスンは、大人が思う「ピアノレッスン」とはちょっと違います。
椅子に30分座ってお行儀よく弾く…なんてことはしません。
鍵盤に触れたり、リズム遊びをしたり、好きな音を探したり。「音楽って楽しい」という記憶を残すことがいちばんの目的です。
なぜなら、この時期に「ピアノ=楽しい場所」という体験を重ねた子は、4歳・5歳になったときにびっくりするほどスムーズにレッスンに入れるからです。
イヤイヤ期のレッスンは「種まき」の時間。すぐに芽は出なくても、ちゃんと土の中で育っています。
おうちでできる「音楽の種まき」3つのコツ
イヤイヤ期のお子さんとピアノを楽しむために、おうちでできることがあります。
1つ目:「弾かせよう」としない
ピアノの蓋を開けておくだけ。通りがかりにポーンと鳴らせる環境を作るだけで十分です。「弾きなさい」と言った瞬間、イヤイヤスイッチが入ります。
2つ目:ママが楽しそうに弾いてみる
片手で「きらきら星」を弾くだけでも大丈夫。子どもは「ママが楽しそうにしていること」に興味を持ちます。「やりたい!」と言ってきたらチャンスです。
3つ目:「イヤ」を否定しない
「今日は弾きたくない」と言ったら、「そっか、じゃあ今日はお休みね」でOK。その代わり、次に自分から触ったとき「おっ、弾いてるね!」と笑顔を見せてあげてください。
イヤイヤ期の子に「させよう」とすると逆効果。でも「勝手にやりたくなる環境」を作ると、驚くほど自分から向かっていきます。
あの「イヤ!」は、未来の才能の声
イヤイヤ期のまっただ中にいると、毎日が戦いのように感じますよね。
「この子、大丈夫かな」「こんなに激しくて、集団生活できるかな」。不安になることもあると思います。
でも、あの「イヤ!」の激しさは、自分の気持ちをしっかり持っている証。自分の世界を大切にしている証。
ピアノは、その「自分」を表現できる場所です。
「この音が好き」「こう弾きたい」「もっとこうしたい」。
イヤイヤ期に発揮していたエネルギーが、やがて音楽の中で輝き始めます。
今は大変でも、その激しさを「この子の才能だ」と信じてあげてください。
数年後、お子さんが自分で選んだ曲を嬉しそうに弾いている姿を見たとき、きっと「あのイヤイヤにも意味があったんだな」と思える日が来ます。


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