「うちの子、自分に自信がないみたい…」
お友達の前でもじもじしてしまう。「どうせ私なんか」と口にする。新しいことに挑戦しようとしない。そんなわが子の姿を見て、胸がキュッとなることはありませんか。
私はピアノ教室で毎日たくさんの子どもたちと接していますが、自己肯定感は「生まれつき」のものではありません。日々の小さな体験の積み重ねで、少しずつ育っていくものです。
そして、習い事は自己肯定感を育てるのにとても相性がいいのです。ただし「何を習うか」よりも、もっと大切なことがあります。
・自己肯定感が低い子どもに見られるサインとその背景
・習い事が自己肯定感を育てる3つの理由
・自己肯定感を高めやすい習い事の特徴
・親が気をつけたい声かけのポイント
・ピアノ教室の現場で実際に起きた変化のエピソード
そもそも「自己肯定感」って何だろう?
自己肯定感という言葉をよく聞くようになりましたが、その意味を正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。
自己肯定感とは、「自分は自分でいい」と思える気持ちのことです。テストで100点を取れる自分が好き、ではなく、うまくいかないときも含めて「自分はここにいていい」と感じられること。それが自己肯定感です。
似た言葉に「自信」がありますが、少し違います。自信は「できる」という感覚。自己肯定感は「できてもできなくても、自分には価値がある」という感覚です。
\u2713「どうせ無理」「できない」が口癖になっている
\u2713新しいことに挑戦するのを極端に嫌がる
\u2713間違えることをとても怖がる
\u2713お友達と自分をよく比べる
\u2713褒められても素直に喜べない
\u2713ちょっとした失敗で大きく落ち込む
なぜ習い事で自己肯定感が育つのか──3つの理由
習い事は、自己肯定感を育てるのにとても適した環境です。その理由は3つあります。
理由1:「できた」の実感を繰り返し体験できる
習い事には、段階的な目標があります。昨日できなかったことが、今日できるようになる。その小さな「できた!」の積み重ねが、自己肯定感の土台になります。
学校の勉強では、テストの点数や成績で「結果」が評価されがちです。でも習い事は、プロセスそのものを認めてもらえる場にすることができます。「先週よりここが上手になったね」──この一言が、子どもの心を大きく支えるのです。
理由2:家庭でも学校でもない「第三の居場所」ができる
子どもにとって、世界は家庭と学校がほぼすべてです。もしその両方で息苦しさを感じているとしたら、逃げ場がありません。
習い事は、家でも学校でもない、もう1つの居場所になれます。そこにいる先生は親でも学校の先生でもない。クラスメイトとは違う仲間がいる。この「別の世界がある」という安心感が、子どもの心をゆるめてくれます。
理由3:「自分で選んだ」という主体性が育つ
学校の授業は選べません。でも習い事は、ある程度自分で「やりたい」と思って始めるものです。この「自分で選んだ」という感覚は、主体性を育てます。
主体性は自己肯定感と密接につながっています。「自分の意志で始めたことを、自分の力で続けている」──この実感が、「自分にはできることがある」という自信の芽になるのです。
自己肯定感を高めやすい習い事の特徴
「自己肯定感を高めるなら、何の習い事がいいですか?」──よく聞かれる質問ですが、正直に言うと「何を習うか」よりも「どんな環境で習うか」のほうがずっと大切です。
同じピアノ教室でも、先生の声かけひとつで子どもの自己肯定感は育ちもすれば、しぼみもします。それでも、いくつかの特徴を持つ習い事は、自己肯定感を高めやすいと感じています。
1他の子と比較されにくい
順位やランキングよりも、個人のペースで成長を実感できる環境。マンツーマンのレッスンや、自分の記録に挑戦するスタイルの習い事が向いています。
2小さな成功体験が積み重なりやすい
いきなり大きな目標に挑むのではなく、段階的にステップアップできるもの。「昨日の自分より少しできた」が感じられることが大切です。
3先生が「プロセス」を認めてくれる
結果だけではなく、取り組む姿勢や工夫を見てくれる先生がいること。これは習い事の種類というより、先生の資質に関わる部分です。
4「正解」がひとつではない
決まった答えを出すことより、自分なりの表現や工夫が認められるもの。音楽、アート、ダンスなどの表現系はこの点で優れています。
5親が結果を求めすぎない
これは習い事の特徴というより、親のスタンスの話です。でもとても重要です。「上手になったかどうか」ではなく「楽しんでいるかどうか」を見てあげてください。
ピアノと自己肯定感──教室の現場で起きた変化
私はピアノの先生なので、ピアノの話をさせてください。
ピアノは、自己肯定感を育てるのにとても向いている習い事だと思っています。先生と1対1で向き合い、自分のペースで進められる。曲が1つ弾けるようになるたびに「できた」を実感できる。しかも、音楽には正解がありません。同じ曲でも、弾く人によって表現がまったく違う。「あなたらしい演奏だね」と言ってもらえる体験は、自己肯定感の種そのものです。
Sくんは年中のときにうちの教室に来ました。何をするにも「自分なんかできない」「無理」と言うタイプで、最初のレッスンではピアノの前に座ることすらできませんでした。
私はSくんに、最初の3回はピアノを弾かなくていいよと伝えました。代わりに、一緒にピアノの音を聴いたり、鍵盤を「ポン」と押して音が出ることを楽しんだり、ただそれだけ。
4回目のレッスンで、Sくんが自分から「ド」を弾きました。そのとき「弾けたね」と言ったら、Sくんはちょっと驚いた顔をして、それから小さく笑いました。
1年後、Sくんは発表会で1曲弾きました。演奏が終わったあと、客席のママのところに走っていって「ぼく、弾けた!」と言ったそうです。あの「自分なんか」が口癖だった子がです。
Sくんが変わったのは、ピアノが上手になったからではありません。「できなくても大丈夫」という安心感のなかで、自分のペースで小さな「できた」を積み重ねたからです。
自己肯定感を高めるために──親が気をつけたい声かけ
習い事に通わせるだけでは、自己肯定感は育ちません。家庭での声かけが、子どもの心に大きな影響を与えます。
\u2715「今日は上手にできた?」
→ ○「今日はどんなことしたの?」
\u2715「もっと練習しなさい」
→ ○「この曲好き?もう一回聴きたいな」
\u2715「○○ちゃんはもう弾けるんだって」
→ ○「先月より指がしっかりしてきたね」
\u2715「発表会で失敗しないでね」
→ ○「楽しんでおいで」
・「結果」ではなく「過程」に目を向ける
・他の子と比較しない(過去の本人と比較する)
・「頑張ったね」より「楽しかった?」
・できなかったことではなく、やろうとしたことを認める
・習い事の後、根掘り葉掘り聞きすぎない
「自己肯定感を高める習い事」を選ぶときに大切なこと
最後に、習い事選びで大切にしてほしいことをまとめます。
1子どもが「やりたい」と思っているかどうか
親が良いと思って選んだ習い事でも、子ども本人が興味を持てなければ逆効果です。「やらされている」という感覚は、自己肯定感を下げることもあります。
2先生の人柄を見る
自己肯定感を育てるには、技術を教えるだけではなく、子どもの気持ちに寄り添える先生が必要です。体験レッスンで、先生がどんな言葉をかけるか、よく観察してみてください。
3「上達」を急がない
早く上手になってほしい、という気持ちはわかります。でも、自己肯定感を育てるという視点で見ると、大切なのはスピードではなく安心感です。子どものペースを尊重してくれる環境を選びましょう。
4「やめてもいい」という心の余裕を持つ
合わない習い事を我慢して続けることは、自己肯定感にプラスにはなりません。「やめる=失敗」ではなく「やめる=次を探す」と考えてみてください。
よくある質問
ピアノノギフトでは、お子さん一人ひとりのペースに合わせたマンツーマンレッスンを行っています。
上手に弾けることより、「またやってみたい」と思えること。その気持ちが、自己肯定感の種になると信じています。
港区三田・日比谷エリアで体験レッスンを受け付けています。
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