お気軽にご相談ください | 無料電話相談受付中📞 電話する

ピアノで学んだ「ありがとう」と「ごめんなさい」|音楽で伝える子どもの気持ち

「ありがとう」も「ごめんなさい」も、まだうまく言えない年齢の子どもたち。

でも、気持ちがないわけではありません。伝えたいことはあるのに、言葉が追いつかない。そのもどかしさを抱えながら、子どもたちは毎日を生きています。

ピアノ講師として長年レッスンをしてきた中で、言葉にできない気持ちを「音」で伝えようとする子どもたちの姿を、何度も見てきました。あの瞬間の音は、どんな言葉よりも雄弁でした。

今日は、そんなエピソードをいくつかお話しさせてください。

タップで読みたい場所にジャンプ

言葉より先に、音がある

子どもの感情は、言語能力よりもずっと先に発達します。

嬉しい、悲しい、悔しい、ありがたい、申し訳ない。そうした複雑な感情を3歳、4歳の子どもは確かに感じています。でも、それを「ありがとう」「ごめんなさい」という言葉に変換する力は、まだ十分に育っていません。

言葉にできないから、感じていないように見える。でも本当は、大人以上に純粋に、深く感じていることもある。

音楽は、そんな子どもたちにとって「もう一つの言語」になります。言葉で伝えられない気持ちを、音に乗せて表現する。ピアノの鍵盤は、子どもたちの「もう一つの口」なのです。

ピアノで伝えた「ありがとう」

4歳の女の子。お母さんの誕生日の前のレッスンで、「ママにひみつの曲を弾きたい」と小さな声で言いました。

レッスンで練習した「きらきら星」を、家では絶対に弾かない。お母さんが「最近練習してないね」と心配しても、にこにこするだけ。そして誕生日の朝、お母さんの前でちょっとぎこちない「きらきら星」を弾いて、「おたんじょうびおめでとう」と言いました。

あの子は「ありがとう」と言いたかったのだと思います。いつも送迎してくれること、練習に付き合ってくれること、お母さんがいてくれること。でも4歳の語彙では、その全部を言葉にはできない。だから、一曲のピアノに全部を込めたのです。

5歳の男の子。妹が生まれて、お母さんがとても忙しくなった時期がありました。レッスンの送迎もおばあちゃんに変わり、お母さんの前でピアノを弾く機会が減りました。

ある日の発表会。ステージの上からお母さんを見つけた瞬間、その子の表情がぱっと変わりました。練習のときとは全然違う、丁寧で、一生懸命で、まるで「ママ、聴いて」と全身で伝えるような演奏でした。

弾き終わったあと、舞台袖でお母さんに駆け寄って、「ママ、来てくれてありがとう」とだけ言いました。あの演奏全部が「ありがとう」だったのだと、その場にいた誰もが感じていました。

「ありがとう」を音で学ぶということ

幼い子どもにとって、「ありがとう」は大人に言わされる言葉であることが多い。「ありがとうは?」と促されて言う「ありがとう」は、まだ本当の感謝とは違います。

でも、誰かのためにピアノを弾いたとき。その人が喜んでくれたとき。そのときに胸の中にわき上がる温かい気持ちが、「ありがとう」の原体験になります。

言葉より先に感情を体験する。そして、その感情に後から言葉がついてくる。ピアノは、そのプロセスを自然に導いてくれるのです。

ピアノで伝えた「ごめんなさい」

6歳の女の子。レッスンの直前にお母さんと大ゲンカをして、教室に来たときは目が真っ赤でした。レッスン中もずっとふてくされていて、何を弾いてもぞんざいな感じ。

でもレッスンの最後に、「先生、あの曲もう一回弾いていい?」と聞いてきました。それはお母さんが「好き」と言っていた曲でした。

丁寧に、さっきまでとは別人のように弾きました。弾き終わって振り返ると、ドアの外で聴いていたお母さんと目が合った。何も言わずに、二人とも少し笑った。

あの曲は、「ごめんなさい」だったのだと思います。「さっきは怒ってごめんね」を、言葉では言えなかった。でも、ママの好きな曲を丁寧に弾くことで、伝えようとした。

4歳の男の子。お友達のおもちゃを壊してしまって、その日一日ずっと元気がなかった。レッスンでもいつもの明るさがなくて、ぽつりと「ぼく、わるいことしちゃった」と言いました。

その日のレッスンでは、静かな曲を選びました。ゆっくり、一つひとつの音を大切に弾く。弾き終わったあと、「先生、この曲やさしい音だね」と言いました。

「ごめんなさい」をまだうまく消化できなかったあの子が、ピアノの「やさしい音」に触れることで、少しだけ気持ちが整理できたのだと思います。音楽は、自分の感情を外に出す場所になるだけでなく、乱れた感情を整えてくれる力も持っています。

「ごめんなさい」を音で学ぶということ

「ごめんなさい」は、「ありがとう」以上に難しい言葉です。自分が悪いことをしたと認めなければならない。プライドが邪魔をする。恥ずかしさもある。大人でも難しいのですから、子どもにとってはなおさらです。

でも、ピアノを通して「やさしい音を出す」という体験をすると、心がやわらかくなります。怒っていた気持ちがほどけて、「ごめんね」が言えるようになる。音楽が、感情のクッションの役割を果たしてくれるのです。

「ごめんなさい」を強制的に言わせることは、謝罪の形を教えているだけで、心が伴っていないことがあります。音楽を通して「相手を思いやる気持ち」が自然に芽生えたとき、初めて本当の「ごめんなさい」が生まれます。

音楽は「気持ちの翻訳機」

言語化が難しい年齢の子どもたちにとって、音楽は気持ちの翻訳機のような存在です。

嬉しいときは、明るく弾む音になる。悲しいときは、静かでゆっくりな音になる。怒っているときは、強くて荒い音になる。そして、誰かを想っているときは、とても丁寧な音になる。

子どもたちは、意識してそうしているわけではありません。感情が自然に指先に伝わって、音に変わる。ピアノは、子どもたちの心を映す鏡なのです。

だから、お子さんのピアノの音が日によって違うのは当然のことです。元気な日もあれば、静かな日もある。荒い日もあれば、やさしい日もある。その一つひとつが、お子さんの今の気持ちの表れです。

ママにお願いしたいのは、音の変化に耳を傾けてほしいということ。「今日は元気な音だな」「今日は少し静かだな」。それだけで、お子さんの心の状態が見えてきます。言葉で「今日どうだった?」と聞くよりも、ピアノの音を聴くほうが、お子さんの本音に近づけることがあるのです。

長年レッスンをしていると、子どもがピアノの前に座った瞬間に「今日は何かあったな」とわかることがあります。弾き始める前の座り方、鍵盤に触れるときの力加減。そして最初の一音。その一音に、その日の全部が詰まっています。ピアノは、子どもが「伝えようとしていること」を受け取るための、とても大切なツールだと思っています。

伝えたい気持ちは、ちゃんとある

言葉がまだ十分でない子どもたちが、音楽を通して伝えようとしていること。それは「ありがとう」であり、「ごめんなさい」であり、「大好き」であり、「聴いて」であり、「ここにいるよ」であり。

言葉にならない気持ちは、存在しないわけではありません。むしろ、言葉にならないほど大きくて、深い気持ちであることが多い。

ピアノは、その気持ちに居場所を与えてくれます。音という形で外に出すことで、お子さん自身も「自分はこう感じていたんだ」と気づくことができる。そして、その音を受け取ったママやパパや先生が「聴こえたよ」と伝えることで、お子さんは「伝わった」という安心を得られる。

この循環が、やがて言葉の力にもつながっていきます。音楽で気持ちを表現できた体験が土台となって、いつか「ありがとう」「ごめんなさい」を自分の言葉で、心を込めて言えるようになる。ピアノは、その日のための準備でもあるのです。

ピアノノギフトでは、お子さんの「まだ言葉にならない気持ち」を大切にしています。
音楽は、心を伝えるもう一つの言葉。
お子さんの音に耳を傾けるレッスンを、体験してみませんか。

体験レッスンに申し込む
PIANO NO GIFT
🎹 体験レッスン受付中

日比谷・三田・田町エリアの子どもピアノ教室。
お子さまの「好き」を見つける体験レッスンに、
まずはお気軽にお越しください。

シェアしていただけると励みになります
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

タップで読みたい場所にジャンプ