成長している実感がない。がんばっているのに、前に進んでいる気がしない。
そんなふうに感じたこと、ありませんか?
ピアノを習っているお子さんを見ていて、「なかなか上達しないな」「この子、伸び悩んでいるのかな」と感じる時期。あるいは、自分自身の仕事や活動のなかで「ここから先、どう進んだらいいんだろう」と立ち止まってしまう時期。
今日は、私自身の経験を交えながら、伸び悩みのその先にある世界についてお話しさせてください。
何の特徴もなかった15年間のピアノ
私は3歳からピアノを始めました。
でも正直に言うと、18歳になるまでの15年間、自分のピアノにこれといった特徴はありませんでした。特別に秀でたものがあったわけでもなく、コンクールで輝かしい成績を残したわけでもない。
ただ、ずっと続けていました。
それが、18歳のとき、グンと成長を感じた瞬間がありました。自分の音が変わった、という感覚。15年間ずっと積み重ねてきたものが、ある日ふっと形になったような感覚でした。
あのとき思ったんです。成長って、右肩上がりにまっすぐ伸びていくものじゃない。長い間ほとんど変わらないように見えて、あるとき急にぐっと伸びる。そういうものなんだ、と。
29歳の私が、また同じ場所にいる
東京音楽大学を卒業して、23歳でピアノ教室を始めて。自分のできることを最大限に活かして、社会貢献がしたいと考えるようになりました。
そこから6年間、いろんな方と出会い、学び、試行錯誤を重ねてきました。でも今、正直に言うと、発信活動において「成長を感じられるフェーズ」にはいません。
がんばっているのに手応えが薄い。努力が目に見える形にならない。その感覚は、ピアノを弾いていた15年間の「何も変わらないように見える日々」と、どこか似ています。
だからこそ、生徒さんのピアノがなかなか大きく成長しないというもどかしさに、心から共感できます。
がんばっているのはわかっている。でも、目に見える変化がなかなか来ない。そのつらさは、私も今まさに感じているものだから。
「結果が見えないまま、続けられるか」
最近、アメリカの起業家アレックス・ホルモジの言葉に励まされました。
この言葉を読んだとき、ああ、これだ、と思いました。
ピアノの練習も、仕事も、社会貢献の活動も。目の前に「うまくいっている」という証拠がない時間のほうが、ずっと長い。でも、その時間を過ごせるかどうかが、その先の世界に行けるかどうかを決める。
ホルモジはこうも言っています。「地道な積み重ねの先に、特別な結果がある」と。派手な成功の裏には、退屈に見える日々の繰り返しがある。その退屈を受け入れて続けられる人だけが、次のステージに進めるのだと。
子どもたちのピアノにも、同じことが言える
お子さんがピアノを習っていて、「最近あんまり上達してないかも」と感じることがあるかもしれません。
でも、それは成長が止まっているのではなく、目に見えないところで種が育っている時間なのだと思います。
大切なのは、その「変わらないように見える時間」を一緒に信じて待ってあげること。焦らせたり、他の子と比べたりするのではなく、その子自身のペースを見守ること。
「またやってみたい」と思えるかぎり、成長は止まっていません。
伸び悩みの先にある世界
伸び悩みって、つらいものです。がんばっているのに手応えがない。このまま続けて意味があるのかなと、不安になることもあります。
でも、振り返ってみると、私の人生でいちばん大きな成長は、いつも「何も変わらないように見えた時間」のあとにやってきました。
3歳から18歳までの15年間があったから、あの成長があった。23歳から始めたこの挑戦も、きっと同じ。
お子さんのピアノも、あなた自身のがんばりも。今は見えなくても、積み重ねた時間は決して無駄にはなりません。
止まっているように見える時間こそ、
いちばん大きく育っている時間かもしれません。


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