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口笛もムチの音も、音楽になる。エンニオ・モリコーネの“枠にとらわれない”作曲術

西部劇で流れる、あの口笛。そして『ニュー・シネマ・パラダイス』の、涙がにじむような旋律。この正反対の音楽を、じつは同じ一人が書いた——と聞いたら、おどろきませんか。

その人の名は、エンニオ・モリコーネ。映画音楽の歴史を変えた、イタリアの作曲家です。今日は、彼の作曲の手法を、私なりの目線で解きほぐしてみます。

なぜこの話をするかというと、モリコーネの「枠にとらわれない」自由さの中に、子どもが音楽を楽しむヒントが、たくさん隠れているからです。

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トランペット少年から、作曲家へ

モリコーネはローマ生まれ。お父さんはトランペット奏者で、彼自身もトランペットを学びました。名門の音楽院で作曲を修めたあとも、すぐに映画音楽の巨匠になったわけではありません。

最初は、ポピュラー音楽の編曲家として、たくさんの曲を手がける日々。クラシックも、ポップスも、両方を知り尽くした。その幅広い経験が、のちの自由な発想の土台になりました。

「楽器じゃない音」も、音楽にした

モリコーネが映画音楽に革命を起こしたのは、西部劇の音楽でした。彼が使ったのは、オーケストラだけではありません。口笛、エレキギター、オカリナ、口琴。さらには、ムチを鳴らす音や、銃声、人の声、コヨーテの遠吠えまで。

ふつうなら「これは楽器じゃない」と外してしまう音を、彼は世界観に合うなら何でも取り入れました。音楽になる音かどうかを決めるのは、ルールではなく、その人の耳。シンプルで強烈なモチーフは、一度聴いたら忘れられません。

でも、誰よりも美しい旋律も書く

意外な音で世界を作る一方で、モリコーネは、息をのむほど美しい旋律も書きました。映画『ミッション』の「ガブリエルのオーボエ」は、その代表です。

実験的なことも、心にまっすぐ届く叙情も、どちらもできる。前衛と美しさを、一人の中で両立させていた。これこそ、モリコーネがほかの誰とも違うところです。彼は名誉アカデミー賞を受け、87歳のときには『ヘイトフル・エイト』でついに正式なオスカーも手にしました。

異なる音を「重ねる」名人

もうひとつの魔法が、重ねる作曲です。『ミッション』では、オーボエのやさしい旋律と、先住民の力強い太鼓、そして教会の荘厳な聖歌を、同時に響かせました。

本来ならぶつかり合うはずの、違う文化の音。それを重ねることで、対立がやがて溶け合っていく物語を、言葉なしで描いてみせたのです。重なりは、ただの足し算ではなく、新しい意味を生む——音楽の奥深さを教えてくれます。

子育ても、ピアノも、「これは音楽じゃない」と決めつけない

ここまで読んでくださったあなたに、伝えたいことがあります。モリコーネが教えてくれるのは、身のまわりのどんな音にも、耳を澄ます好奇心の大切さです。

なぜなら、「これは音楽じゃない」と決めつけないことが、自由な発想のはじまりだから。お子さんが鍋を叩いても、おもちゃの音で遊んでも、それは立派な音楽の入り口です。ピアノは、その好奇心を、もっと豊かに育てていく場所だと私は思います。

私がピアノノギフトで大切にしているのも、その「音をおもしろがる」気持ちです。日比谷・三田・田町の教室では、体験レッスンをご用意しています。お子さんの耳が見つけた音を、私と一緒に、音楽にしてみませんか。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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