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子どもとのコミュニケーションで大切にしていること|習い事の先生として

お子さんが習い事に通っているとき、「先生はうちの子のことをどう見てくれているのかな」と気になることはありませんか?

レッスンの上達はもちろん大切ですが、それと同じくらい「先生がどんなふうにうちの子と向き合ってくれているか」が気になる、という声を保護者の方からいただくことがあります。

今回は、私が子どもたちとコミュニケーションを取るときに心がけていることをお話しさせてください。あくまで私個人の考え方で、これが正解だとは思っていません。でも、こんなことを考えながらお子さんと向き合っていますよ、ということを知っていただけたら嬉しいです。

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「子どもだから」で決めつけない

レッスンの中で、私がいちばん意識していることかもしれません。

「子どもだからまだわからないだろう」「この年齢だからこういうものだろう」――そういう前提で接すると、目の前のその子自身を見られなくなってしまうような気がするんです。

たとえば、3歳のお子さんが鍵盤に触れて「この音、きれい」と言ったとき。それを「3歳にしては感性がいいね」ではなく、「本当だね、きれいな音だね」とそのまま受け止めたい。年齢や発達段階で評価するのではなく、その子が感じたことをそのまま一緒に感じたい。

もちろん、年齢に応じた配慮は必要です。でもそれは「子ども扱い」とは少し違う、と私は思っています。難しい言葉を使わないことと、相手を一人の人間として尊重することは、両立できるはずです。

断定しない、決めつけない

レッスンでお子さんと接していると、つい言いそうになることがあります。「この子はこういうタイプだ」「きっとこれが苦手なんだろう」と。

でも、子どもは大人が思っている以上に、日々変わっていきます。先週まで苦手だったことが、今週には急にできるようになっていることもあります。逆に、得意だと思っていたことに急に興味をなくすこともあります。

だから私は、その子の属性やタイプを決めつけないようにしています。「この子は集中力がない」ではなく、「今日はなんだか落ち着かないみたいだな」。「この子はおとなしい」ではなく、「今は様子を見ているのかもしれないな」。

一度ラベルを貼ってしまうと、そのラベルを通してしか見えなくなってしまう。それが怖いんです。なぜなら、子どもたちは私たち大人の想像をいつも軽々と超えていくから。その可能性を、私の思い込みで狭めたくないと思っています。

まず、聞く

ピアノのレッスンは、先生が教えて生徒が学ぶ場所。そう思われることが多いと思いますし、もちろんその側面はあります。

でも私は、レッスンの中で「聞く」時間をとても大切にしています。

お子さんが教室に来たとき、「今日はどんな気分?」と聞いてみる。練習してきた曲について「弾いてみてどうだった?」と聞いてみる。うまくいかなかったときに「どこが難しかった?」と聞いてみる。

大人はつい、先に答えを言ってしまいたくなります。「ここはこうすればいいよ」「こうやって練習してね」と。でも、お子さん自身がどう感じているのか、何を考えているのかを先に聞くだけで、レッスンの空気が変わる瞬間があります。

聞いてもらえている、と感じたとき、子どもたちの表情はふっと柔らかくなります。「この場所では、自分の言葉を受け止めてもらえる」――そう感じてもらえたら、それだけでレッスンの土台ができるのではないかと思うんです。

「正しいこと」より「その子の気持ち」

レッスンの中で、お子さんが思ったことをポロッと口にすることがあります。

「この曲、好きじゃない」「今日はピアノ弾きたくない」「なんで練習しなきゃいけないの?」

こういう言葉を聞いたとき、つい「でもね」と正しいことを言いたくなることもあります。でも、私はまずその気持ちをそのまま受け止めるようにしています。

「そっか、好きじゃないんだね」「弾きたくない日もあるよね」「そう思うんだね」。

否定せず、説教もせず、ただ「あなたはそう感じているんだね」と認める。それだけのことですが、これがとても大切だと感じています。

なぜなら、気持ちを受け止めてもらえた子は、そのあと自分から動き出すことが多いからです。「好きじゃない」と言ったあとに「でも、ちょっとだけ弾いてみようかな」と自分で決める。その「自分で決めた」という感覚が、どんな声かけよりもずっと大きな力になります。

人間として対話する

私がレッスンの中で気をつけていることの1つに、「子ども扱いをしない」ということがあります。

これは、大人と同じように接するという意味ではありません。言葉の選び方や伝え方は、もちろんお子さんに合わせます。でも、「対話の姿勢」は大人と話すときと同じでありたいと思っています。

たとえば、レッスンで何かを決めるとき。「今日はこれを練習しようね」と一方的に決めるのではなく、「今日はどの曲から始めたい?」と聞いてみる。お子さんの意見を尊重して、一緒に決めていく。

「先生が決めたから」ではなく「自分で選んだ」という実感を持ってもらうこと。小さなことですが、この積み重ねがお子さんの中に「自分の意思で音楽と向き合っている」という感覚を育てていくのではないかと思います。

子どもだって、ちゃんと考えているし、ちゃんと感じている。その一つひとつを丁寧に扱いたい。それが、私が「人間として対話する」と言っていることの中身です。

丁寧に言葉を選ぶ

お子さんに何かを伝えるとき、私は言葉の選び方にとても気を使います。

たとえば、「それは間違いだよ」と言うのと「ここはこうかもしれないね」と言うのでは、受け取る側の気持ちがまったく違います。「もっと頑張って」と言うのと「少しずつ進んでいるよ」と言うのも、伝わり方がまるで変わります。

大人でも、頭ごなしに「ダメ」「違う」と言われたら気持ちが沈みますよね。子どもはなおさらです。でもそれは「子どもだから繊細」なのではなく、「人間だから繊細」なんだと思います。

だから私は、断定的な言い方を避けるようにしています。「こうしなさい」ではなく「こうしてみるのはどうかな?」。「できていない」ではなく「ここまではできているね、あとはこの部分だね」。

提案として伝えること。できていることを先に認めること。そうすることで、お子さんが安心して挑戦できる空気をつくりたいんです。

「正解」を教える場所ではなく

ピアノのレッスンというと、「正しい弾き方を教わる場所」というイメージがあるかもしれません。もちろん、技術的なことは丁寧にお伝えします。

でも私は、レッスンが「正解を教える場所」だけになってしまうのは、少しもったいないと思っています。

お子さんが自分なりの弾き方を見つけていく過程で、「これでいいのかな?」と迷うことがあります。そのときに「それは違うよ」と言うのか、「どう弾きたいと思ったの?」と聞くのかで、その先の道が変わります。

音楽には「唯一の正解」がないからこそ、お子さん一人ひとりの感じ方を大切にしたい。「先生に言われたとおりに弾く」のではなく、「自分はこう弾きたい」という気持ちを持てるようになってほしい。

そのためには、私が「教える人」という立場に立ちすぎないことが大切だと感じています。一緒に音楽を楽しむ相手として、お子さんの隣にいたい。それが今の私の気持ちです。

これは私の個人的な考え方です

ここまで書いてきたことは、すべて私個人が大切にしていることです。「こうすべき」「これが正しい」と言いたいわけではありません。

子どもとの向き合い方は、ご家庭の数だけあります。先生によっても、考え方は様々です。どれが正解で、どれが間違いということはないと思っています。

ただ、私が日々のレッスンの中で感じていることとして、子どもたちは「ちゃんと聞いてもらえている」「決めつけられていない」「一人の人間として接してもらえている」と感じたときに、とても伸びやかな表情を見せてくれます。

そういう瞬間を、一つでも多く作りたい。それが、私がコミュニケーションについて考え続けている理由です。

完璧にできているかと聞かれたら、正直、そうとは言えません。つい言いすぎてしまったり、先に答えを言ってしまったりすることもあります。でも、「こうありたい」と思い続けること自体に意味があるのではないかと、そう信じてレッスンをしています。

お子さんとの出会いを大切に

ピアノノギフトは、日比谷・三田・田町にあるちいさなピアノ教室です。

テクニックを教えること以上に、お子さんと丁寧に向き合うことを大切にしています。レッスンの中でお子さんがどんなことを感じているのか、何を考えているのか。それを聞いて、一緒に音楽の時間を作っていきたいと思っています。

「上手になること」はもちろん嬉しいことです。でもそれ以上に、お子さんが「ここでは安心して自分を出せる」と感じてくれること。それが、私たちにとって一番の喜びです。

お子さんとの相性を確かめに、

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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