教室に通っているけれど、家でどう練習を見てあげればいいかわからない。
そんなお母さん・お父さんへ。
実は、楽譜が読めなくても、おうちでできることはたくさんあります。
子ども専門のピアノ講師が、親が「先生」にならなくてもできる、おうちでのピアノの教え方・関わり方をご紹介します。
結論:親の役割は「先生」ではなく「いちばんの応援団」です。
・楽譜が読めなくても、音あて・まねっこ・歌などでピアノを楽しめる
・正しく教えることより、毎日少しピアノにさわる「環境」をつくることが大切
・間違いを指摘するより、「聴かせて」「教えて」と興味を向ける
親が楽しそうにそばにいることが、子どもにとって何よりのレッスンになります。
おうちでの親の役割は「先生」じゃなくていい
「家で教えなきゃ」と思うと、親も子もつらくなりがちです。親子だと、どうしても感情が入りやすく、つい「なんでできないの」と言ってしまったり、子どもも素直に聞けなかったりします。
だからこそ、おうちでの親の役割は「正しく教える先生」ではなく、こんな存在であれば十分です。
- ピアノにさわる時間と場所をつくる「環境づくりの人」
- 弾いた音を楽しそうに聴いてくれる「いちばんのお客さん」
- できたことを一緒に喜んでくれる「応援団」
楽譜が読めないことは、まったく問題になりません。むしろ、「お母さんにも教えて」と子どもに教えてもらう関係が、子どもの自信と理解を深めてくれることもあります。
楽譜が読めなくてもできる7つのこと
1. 鍵盤に付せんで「ドレミ」を貼る
「ド」は、黒い鍵盤が2本並んでいるところの、すぐ左の白い鍵盤です。ここに「ド」、右へ順に「レ」「ミ」と付せんを貼れば、楽譜が読めなくても親子で音の名前がわかります。慣れてきたら、少しずつはがしていきましょう。
ポイント:「黒鍵2本の左がド」を一緒に探すだけでも、立派な鍵盤遊びになります。
2. まねっこ遊び
親が2〜3個の音を鳴らして、子どもが同じ音を探して弾く。反対に、子どもが弾いた音を親がまねる。耳で聴いて音を探す練習は、楽譜がなくてもできる大切な「音感」のトレーニングです。
3. 弾く前に、歌ってみる
教室で習っている曲を、「ドレミ」で一緒に歌ってみましょう。歌えるメロディは、弾きやすくなります。歌詞のある曲なら、歌詞で歌うだけでもOKです。
4. 指番号ゲーム
ピアノでは、親指を1、人差し指を2……小指を5と数えます。「3番の指で弾いてみて」「次は5番!」とゲームのように遊ぶと、指を1本ずつ動かす練習になります。
5. 録音・録画して、一緒に聴く
スマホで演奏を録音して、一緒に聴いてみましょう。親が「ここ、きれいだね」と好きなところを伝えるだけで、子どもは自分の演奏を客観的に聴けるようになります。上達を記録として残せるのもうれしいポイントです。
6. 子どもに「先生」になってもらう
「今日のレッスンで何を習ったの?お母さんに教えて」と、子どもに先生役をお願いしてみてください。人に説明すると、習ったことが自分の中で整理されます。楽譜が読めない親だからこそできる、とっておきの方法です。
7. 毎日5分の「ピアノタイム」をつくる
おやつの前、お風呂の前など、毎日同じタイミングで5分だけピアノにさわる時間をつくりましょう。長い練習よりも、毎日少しずつのほうが続きやすく、身につきやすくなります。
年齢別|おうちピアノのヒント
| 年齢 | おうちでできること | 声かけの例 |
|---|---|---|
| 3〜4歳 | 音あて、まねっこ、高い音・低い音遊び、歌いながら鍵盤をさわる | 「どんな音がした?」「もう一回聴かせて」 |
| 5〜6歳 | 付せんでドレミ、片手の簡単な曲、指番号ゲーム | 「先生になって教えて」「きれいな音だね」 |
| 小学生 | 練習の順番を一緒に決める、録音して聴く、家族の前で発表 | 「今日はどこから弾く?」「先週より上手になったね」 |
おうちでやりがちなNG
✕ 間違えた瞬間に「ちがう」と指摘する
✕ 横に座って、最初から最後まで監視する
✕ きょうだいや友だちと比べる
✕ 練習の内容や時間を、親が全部決める
✕ 「練習しないなら〇〇なし」と、練習を罰や交換条件にする
どれも、子どもの「弾きたい」という気持ちを小さくしてしまいます。間違いを直すのは先生にまかせて、おうちでは「楽しい」「聴いてもらえてうれしい」という気持ちを育てることを優先しましょう。
親も楽譜を少しだけ知りたいときは
「少しくらいは楽譜がわかるようになりたい」という方は、まずこれだけ覚えておくと便利です。
- ト音記号の楽譜で、五線の下に短い線を1本足して書かれた音が「真ん中のド」
- そこから、線と線のあいだ、線の上……と一段ずつ上がるごとに「レ・ミ・ファ・ソ」と上がっていく
- 音符の玉が白いとのばす音、黒いと短い音(いちばん基本の考え方)
子どもと一緒に「この音なに?」と探しながら覚えていくと、親子の楽しい時間にもなります。
独学と教室、どちらがいい?
おうちでの音遊びや、動画・アプリを使った独学でも、ピアノを楽しむことは十分にできます。特に、まだ小さいうちや「まずは興味を育てたい」時期には、おうちでの音楽遊びがとても大切です。
一方で、手の形や姿勢、指の使い方などは、自己流のくせがつくと後から直すのに時間がかかることもあります。「もっと弾けるようになりたい」という気持ちが育ってきたら、先生に見てもらうタイミングかもしれません。最近は、オンラインでレッスンを受けられる教室もあり、選択肢は広がっています。
そのとき私がいつもお伝えするのは、「上手に教えなくて大丈夫。楽しそうに聴いてあげてください」ということです。
子どもが家でピアノを弾いたときに、「その曲好き」「もう一回聴きたいな」と言ってもらえる。それだけで、子どもはまたピアノの前に座りたくなります。
楽譜が読めるかどうかより、そばで笑顔で聴いてくれる人がいるかどうか。それが、おうちでのピアノをいちばん豊かにしてくれると、私は思っています。
よくある質問
- 親が楽譜を読めなくても、子どもにピアノを教えられますか?
- 教えられます。付せんで鍵盤にドレミを貼る、まねっこ遊び、歌ってから弾くなど、楽譜が読めなくてもできることはたくさんあります。親は「先生」ではなく「応援団」で十分です。
- 家での練習は1日何分くらいがいいですか?
- 幼児なら1日5〜10分ほど、ピアノにさわる時間があれば十分です。長さよりも、毎日少しずつ続けることが大切です。
- 子どもが間違えたとき、どうすればいいですか?
- すぐに指摘せず、まずは最後まで聴いてあげましょう。間違いを直すのは先生にまかせて、おうちでは「楽しく弾けた」という気持ちを大切にしてください。
- ピアノは独学でも大丈夫ですか?
- 楽しむことは独学でも十分できます。ただ、手の形や姿勢などのくせは自分では気づきにくいため、もっと上達したいと思ったら先生に見てもらうのがおすすめです。
まとめ
- おうちでの親の役割は「先生」ではなく「いちばんの応援団」
- 付せん・まねっこ・歌・指番号ゲーム・録音・先生ごっこ・毎日5分で、楽譜が読めなくても楽しめる
- 間違いの指摘・監視・比較・罰はNG
- もっと上達したくなったら、先生に見てもらうタイミング
「家で何をすればいい?」という小さな疑問も、どうぞお気軽にご相談ください。
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