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デジタルネイティブ世代のスマホとピアノ|子どもとの付き合い方を考える

「スマホ、見せていいのかな…」と悩んだこと、ありませんか。

周りのお母さんは「うちは見せてないよ」と言うし、でも実際はちょっと見せないとごはんも作れない日もある。かといって、ずっと見せていたら罪悪感がある。正解がわからないまま、モヤモヤしている方はとても多いと思います。

今の子どもたちは「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代。生まれたときからスマホやタブレットが身近にある環境で育っています。だからこそ、「見せない」のではなく「どう付き合うか」を考えることが大切なのではないか。ピアノ講師として、そして一人の大人として、私が感じていることを書いてみます。

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「見せない」が正解とは限らない

スマホやタブレットを子どもに見せることに対して、罪悪感を持っているお母さんは少なくありません。「目が悪くなるのでは」「脳の発達に影響があるのでは」「依存してしまうのでは」。心配はつきません。

でも、今の時代に「一切見せない」というのは、現実的ではないですし、必ずしもお子さんのためになるとも限りません。

デジタル機器は、もうこの社会のインフラです。大人になったときに必ず使うもの。だとしたら、「触れさせない」のではなく、「どう触れさせるか」を一緒に学んでいくほうが建設的だと思うのです。

大切なのは、「スマホを見せるかどうか」という二択ではなく、「何を」「どのくらい」「どんな場面で」見せるかということ。そこに親の意図があるかどうかで、スマホとの付き合い方はまったく違うものになります。

スマホで「消費する」時間と「創る」時間

スマホやタブレットの使い方には、大きく分けて2種類あると思います。

1つ目は「消費する」時間。動画を見る、ゲームをする、次から次へとコンテンツを流し見する。受動的に情報を受け取る使い方です。

2つ目は「創る」時間。写真を撮る、音楽を作る、絵を描く、調べものをする。自分から働きかける使い方です。

どちらが良い悪いではありません。大人だって、疲れたときにはただ動画を見ていたい日があります。でも、「消費する」だけの時間が長くなりすぎると、お子さんの中に「自分から何かを始める力」が育ちにくくなる可能性はあります。

だから、もしスマホやタブレットを使う場面があるなら、ときどき「創る」時間を混ぜてみるのも一つの方法です。「この花の名前、一緒に調べてみよう」「この曲の演奏動画、見てみよう」。そんな小さなきっかけで、同じスマホでも使い方の質が変わります。

ピアノとスマホ、意外な共通点

一見まったく違うもののように見えるピアノとスマホですが、実は共通していることがあります。それは、どちらも「自分の指で操作して、反応が返ってくる」ということ。

スマホは画面をタップすれば何かが起きる。ピアノは鍵盤を押せば音が鳴る。この「自分がやったことに対して、すぐに何かが返ってくる」という体験は、子どもにとってとても魅力的です。

ただ、決定的に違うのは「深さ」です。

スマホのタップは、誰がやっても同じ反応が返ってきます。でもピアノは、同じ鍵盤でも、押し方によって音の大きさも色も変わる。指の角度、力の入れ方、腕の使い方で、出てくる音がまったく違う。

スマホは「イエスかノーか」の世界。ピアノは「無限のグラデーション」の世界。この違いは、お子さんの感覚を育てるうえでとても大きいと思っています。

スマホで楽しさを知ったお子さんが、「自分の指で何かを操作する」喜びをピアノに広げていけたら、それはとても自然な流れです。スマホが入口で、ピアノがもっと深い体験になる。そういう関係も、あっていいと思います。

スマホをピアノの味方にする方法

実は、スマホやタブレットはピアノの練習にとても役立つ道具にもなります。

演奏動画を一緒に見る

YouTubeには、世界中のピアニストの演奏動画があります。お子さんが今練習している曲をプロが弾いている動画を一緒に見てみると、「こんな風に弾けるようになりたい」というモチベーションにつながることがあります。クラシックだけでなく、ジャズやポップス、アニメの曲など、お子さんの興味に合わせて選べるのもデジタルの良いところです。

録音・録画して聴き返す

お子さんの演奏をスマホで録画して、一緒に聴き返してみる。これはとても効果的な練習方法です。弾いている最中は気づけなかったことが、客観的に聴くと見えてくる。「ここ、上手に弾けてたね」と一緒に発見する時間にもなります。

メトロノームアプリを使う

テンポを保つ練習に、スマホのメトロノームアプリを使うのも手軽で便利です。わざわざ専用の道具を買わなくても、スマホがあればすぐに使えます。

こうして見ると、スマホは使い方次第でピアノの練習をサポートしてくれる道具になります。「スマホかピアノか」ではなく、「スマホをピアノのためにも使う」という発想です。

「ルール」より「習慣」を作る

スマホとの付き合い方について、「1日30分まで」「食事中は見ない」といったルールを決めているご家庭も多いと思います。ルールを作ること自体は悪くありません。

でも、ルールだけで管理しようとすると、お子さんが大きくなるにつれて限界がきます。「なんでダメなの」「○○くんちは見てるのに」という反発が生まれるのは自然なことです。

私が大切だと思うのは、ルールよりも「習慣」を作ること。

たとえば、帰宅したらまずピアノに向かう。夕食前の30分は家族で過ごす。寝る前は本を読む。スマホを「禁止」するのではなく、スマホ以外の時間に自然と充実感がある生活を作っていく。

すると、スマホの時間は自然と「そのあと」になります。他に楽しいことがあれば、お子さんはそちらを選ぶことも多い。禁止されたものほど魅力的に見えるのが人間ですから、「禁止」よりも「他の選択肢を充実させる」ほうが結果的にうまくいくように思います。

レッスンに来るお子さんの中にも、「家ではYouTubeばっかりで…」と心配されるお母さんがいらっしゃいます。でもそのお子さんが、レッスンではピアノに夢中になっている。スマホがすべてではないという証拠は、お子さん自身が見せてくれています。

デジタルネイティブだからこそ、「アナログ」が光る

生まれたときからデジタルに囲まれている子どもたちにとって、スマホやタブレットは「当たり前」のものです。だからこそ、アナログの体験が特別なものになります。

ピアノは、木と鉄とフェルトでできた楽器です。鍵盤を押すと、ハンマーが弦を叩いて、音が空気を振動させて耳に届く。この物理的なプロセスは、スマホのスピーカーから出る音とはまったく違う体験です。

指先に感じる鍵盤の重さ。ペダルを踏んだときの足裏の感覚。音が部屋に広がっていく空気の振動。こうした「体全体で感じる」体験は、デジタルの世界にはありません。

デジタルネイティブの子どもたちだからこそ、こうしたアナログの体験に触れたとき、「いつもと何か違う」と感じる。その「違い」に気づけることが、感性を豊かにしてくれるのだと思います。

スマホを否定する必要はありません。でも、スマホだけでは得られないものがあることを、体験を通して伝えていくことはできます。

親自身のスマホとの付き合い方

最後に、少しだけ耳の痛い話を。

お子さんのスマホとの付き合い方を考えるとき、実は一番影響が大きいのは、親御さん自身のスマホの使い方です。

子どもは、言葉よりも行動を見ています。「スマホ見ちゃダメ」と言いながら、お母さん自身がずっとスマホを触っていたら、お子さんには矛盾として伝わります。

これは責めているのではありません。私自身も、気がつくとスマホを触っていることがあります。忙しい日は特にそうです。

だからこそ、「スマホを置く時間」を親子で一緒に作れたらいいのかなと思います。ピアノの練習を聴いている時間、一緒に絵本を読む時間、お散歩の時間。その間だけは、親もスマホを手放してみる。

完璧にはできなくても、「お母さんも一緒にスマホなしで過ごしているよ」ということが伝わるだけで、お子さんにとっては大きな安心材料になります。

スマホとの付き合い方に正解はありません。でも、「一緒に考えていこう」という姿勢を見せることはできます。デジタルネイティブの時代だからこそ、親子で一緒に、デジタルとアナログのバランスを探していく。その過程そのものが、大切な子育ての時間だと思います。

ピアノは、スマホでは得られない「体全体で感じる」体験を届けてくれます。
デジタルの世界を知っているお子さんだからこそ、アナログの音楽に触れたとき、新しい発見があるはずです。
まずは体験レッスンで、その違いを感じてみてください。

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