「発表会、出たくない…」「緊張してお腹が痛い」。わが子のそんな言葉に、どう声をかけたらいいか迷っていませんか?
冬はピアノの発表会シーズン。舞台に立つ子どもと同じくらい、見守るママ・パパもドキドキしますよね。
この記事では、子どもの発表会の緊張をほぐすために、前日・当日・本番直前の3つのタイミングで親ができることをまとめました。わたし自身が舞台の世界で経験してきたことも、あわせてお話しします。
- 結論|緊張は「消す」のではなく「味方」にする
- 子どもが発表会で緊張する理由
- 私の場合|結果に興味がなかった子どもが、結果に縛られるまで
- 前日・当日・本番直前|親ができること
- 言ってしまいがちな言葉、こう言いかえて
- 本番が終わったら
- よくある質問
- まとめ
1.結論|緊張は「消す」のではなく「味方」にする
親の役目は、緊張を消すことではなく「大丈夫」と思える土台をつくること。
緊張をゼロにすることは、大人でもむずかしいものです。そして、ある程度の緊張は集中力を高めてくれる、いわば本番の味方でもあります。
問題になるのは、緊張が「失敗したらどうしよう」という恐れに変わってしまうとき。親ができるのは、その恐れを小さくしてあげることです。
2.子どもが発表会で緊張する理由
| 理由 | 子どもの心の中 |
|---|---|
| 失敗への不安 | 「間違えたらどうしよう」「止まったらどうしよう」 |
| まわりの目 | 「みんなに見られている」「笑われたらどうしよう」 |
| 期待へのプレッシャー | 「ママをがっかりさせたくない」 |
| いつもとちがう環境 | 「ピアノも部屋も、いつもとちがう」 |
とくに見落としがちなのが、「期待へのプレッシャー」。親が「がんばってね!」と応援するほど、子どもは「うまく弾かなきゃ」と感じてしまうことがあります。
3.私の場合|結果に興味がなかった子どもが、結果に縛られるまで
わたしは3歳でピアノを始め、子どものころからコンクールにも出ていました。でも当時のわたしは、コンクールを受けても結果にはあまり興味がない子どもでした。両親もコンクールを強制することはなく、練習もひとりでやらせてくれていました。
ところが高校時代、「1位じゃないと意味がない」という価値観の中に身を置き、一度1番を経験したことで、大学では「結果を出さなければ」という強迫観念に縛られるようになりました。結果を残しても、何かを得た感覚はなく、むしろすり減っていきました。
振り返って思うのは、舞台を「結果を出す場所」と思った瞬間、舞台は怖いものになるということ。結果に興味がなかったころのわたしは、舞台をもっと自由に楽しめていたのだと思います。
だからこそ、発表会に向かう子どもたちには、結果ではなく「今日弾けたこと」を大切にしてほしい。親の声かけひとつで、舞台は「試される場所」にも「聴いてもらえる場所」にもなります。
「聴いてもらえる場所」。
4.前日・当日・本番直前|親ができること
- 練習は軽めに通すだけ。直前の詰め込みは不安を大きくします
- 「最後まで弾けたね」と、できていることを言葉に
- 服や持ち物は前日に準備して、当日の慌ただしさを減らす
- いつもの時間に寝る
- 朝ごはんは食べ慣れたものを
- 会場には時間に余裕をもって到着する
- 親がそわそわしていると、子どもに伝わります。ママ・パパがいつも通りでいることが一番の安心
- 深呼吸を一緒に。「吸って、ゆっくり吐いて」を3回
- 手をグーパー、肩をすとんと落とすなど、体をゆるめる
- かける言葉は短く。「楽しんできてね」「いつも通りで大丈夫」
5.言ってしまいがちな言葉、こう言いかえて
| 言ってしまいがち | こう言いかえて |
|---|---|
| 「間違えないでね」 | 「間違えても、そのまま弾き続ければ大丈夫」 |
| 「がんばってね!」 | 「楽しんできてね」 |
| 「緊張しないで」 | 「緊張するのは、がんばってきた証拠だよ」 |
| 「ママ、すごく楽しみにしてるからね」 | 「ママは、あなたの音が聴けるのがうれしい」 |
| 「〇〇ちゃんは上手だね」 | (ほかの子とは比べない) |
6.本番が終わったら
舞台から戻ってきた子どもに、最初にかける言葉はとても大切です。
- まずは「おつかれさま」「舞台に立てたね」と、挑戦したことをねぎらう
- 間違えたところには触れず、良かったところを具体的に伝える
- 反省は、子どもが自分から話したときだけ。親から「ここがダメだったね」は言わない
もし失敗して泣いてしまっても、大丈夫。悔しいと思えるのは、本気だったから。その気持ちに寄り添ってあげてください。
7.よくある質問
- Q.「発表会に出たくない」と言ったら、無理に出さないほうがいい?
- まずは「何が不安?」と理由を聞いてみてください。間違えるのが怖い、人に見られるのが恥ずかしいなど、理由がわかれば対策が立てられます。先生にも相談して、曲や出方を一緒に考えるのがおすすめです。
- Q.本番で止まってしまったら、どうすればいい?
- 事前に「止まっても、次のところから弾き始めればいいよ」と伝えておくと安心です。本番後は止まったことには触れず、最後まで舞台に立てたことをほめてあげてください。
- Q.親が緊張してしまいます。
- 親が緊張するのは自然なことです。ただ、子どもの前では深呼吸して、いつも通りの声で話すことを意識してみてください。親の落ち着きは、子どもの安心につながります。
8.まとめ
- 緊張は消すものではなく、味方にするもの
- 子どもの緊張の裏には、失敗への不安・まわりの目・期待へのプレッシャーがある
- 私の場合、舞台を「結果を出す場所」と思ったとき、舞台は怖いものになった
- 前日はいつも通り、当日は親が落ち着く、直前は体をゆるめて短い言葉を
- 終わったら、まず「おつかれさま」。良かったところを具体的に
発表会は、上手に弾けたかどうかを試される場所ではありません。これまで積み重ねてきた音を、大切な人に聴いてもらう場所です。
舞台に立つその勇気を、どうかいちばん近くで応援してあげてください。
ピアノノギフト 主宰 湖苗美
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