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ピアノ・音楽教育が本質的に遅れている日本|海外との5つの違い

日本は「ピアノ大国」と言われています。ピアノの普及率は世界トップクラス。子どもの習い事でもピアノは常に上位。

でも、ドイツで音楽を学んだ私が日本に帰ってきて感じたのは、「ピアノを弾ける人は多いのに、音楽を楽しめている人が少ない」ということでした。

なぜそうなるのか。日本と海外のピアノ教育の違いから、その理由が見えてきます。

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日本のピアノ教育が「遅れている」と感じる理由

誤解のないように言っておくと、日本のピアノ教育の「技術レベル」は世界でもトップクラスです。国際コンクールで日本人が入賞するのは珍しいことではありません。

では、何が遅れているのか。

それは、「音楽教育の目的」と「レッスンの哲学」です。

技術を教えることには長けている。でも、「音楽を通じて人を育てる」という視点が、日本の音楽教育には決定的に欠けていると感じています。

海外と日本のピアノ教育、5つの違い

違い① レッスンの目的が違う

日本

「この曲を弾けるようになること」がゴール。教本を順番に進めて、一曲ずつ合格して、次の曲へ。

進度が速い子=優秀、という評価になりがち。

ドイツ・ヨーロッパ

「音楽を通じて、その子自身が育つこと」がゴール。曲を弾けるかどうかは、手段であって目的ではない。

「この子は今、何を感じているか」がレッスンの出発点。

ドイツで私が師事した先生は、レッスンの最初に必ず「今日、どんな気分?」と聞いてきました。テクニックの確認ではなく、その日の心の状態からレッスンを始める。それが当たり前の文化でした。

違い② 「間違い」への態度が違う

日本

間違えたら「直す」。正しく弾けるまで繰り返す。間違い=悪いこと、という空気がレッスン室に漂いがち。

ドイツ・ヨーロッパ

間違えたら「なぜそうなったか一緒に考える」。間違いは学びのきっかけ。音を外すことより、音楽が止まることのほうが問題視される。

ドイツのレッスンで、私が一つの音を間違えて弾き直そうとしたとき、先生に止められたことがあります。「止まらないで。音楽は流れているんだから」と。間違えても音楽を止めない。完璧さよりも、音楽の流れを大切にする。このマインドの違いに、最初は衝撃を受けました。

違い③ 「表現」の教え方が違う

日本

「ここはフォルテ」「ここはピアノ」「ここでクレッシェンド」。楽譜に書いてある通りに強弱をつけることが「表現」とされがち。

ドイツ・ヨーロッパ

「この部分、あなたはどう感じる?」「この曲は何色に見える?」。まず子ども自身の感覚を引き出してから、それを音にする方法を一緒に探す。

日本では「正解の弾き方」を教えてもらうのがレッスン。ヨーロッパでは「自分の弾き方」を見つけるのがレッスン。この違いは、子どもの「表現力」の育ち方にそのまま影響します。

違い④ 音楽が「生活の中」にあるかどうか

日本

音楽=習い事。レッスンの時間だけ音楽に触れて、終わったら日常に戻る。音楽と生活が分離している。

ドイツ・ヨーロッパ

音楽=生活の一部。教会の礼拝で歌う、家族で楽器を弾く、地域のオーケストラに参加する。音楽が日常に溶け込んでいる。

ドイツにいたとき、街中でおじいちゃんが自然とピアノの前に座って、誰に聴かせるでもなく弾いていた光景が忘れられません。特別なことじゃない。生活の一部として、そこに音楽がある。その感覚は、日本ではなかなか育ちにくいと感じます。

違い⑤ 「コンクール」の位置づけが違う

日本

コンクール=ゴール。入賞することが目標になりがち。結果で教室や先生の評価が決まる風潮もある。

ドイツ・ヨーロッパ

コンクール=経験の一つ。人前で弾く機会として活用するが、結果に一喜一憂しない。音楽的成長の通過点にすぎない。

日本ではコンクールのために半年間同じ曲を弾き込む、ということも珍しくありません。それ自体は悪いことではないですが、「結果を出すためのピアノ」になってしまうと、子どもの中の「音楽を楽しむ気持ち」がどんどんすり減っていく危険があります。

なぜ日本はこうなったのか

日本のピアノ教育が技術偏重になったのには、歴史的な背景があります。

「効率よく上達させる」文化

日本の音楽教育は、戦後の高度経済成長期に大きく広まりました。「効率よく」「間違いなく」「早く上達する」ことが良しとされる社会の価値観が、そのままピアノ教育にも反映されています。

教本を順番通りに進める。間違えたら直す。テストに合格して次に進む。これは「教育」としては合理的ですが、「音楽」としては、何か大事なものが抜け落ちています。

それは、「その子自身の感覚を育てる」という視点です。

「先生の言う通りに弾く」のが正解になってしまった

日本のレッスンでは、先生が「お手本」を弾いて、生徒がそれを真似る、というスタイルが長く続いてきました。

「先生の弾き方=正解」なので、それと違う弾き方をすると「間違い」になる。子どもは自分で感じて弾くことよりも、「先生に怒られない弾き方」を探すようになってしまいます。

これでは、自分の表現力は育ちません。「言われた通りに弾ける子」は育つけれど、「自分の音楽を持っている子」は育たない。

じゃあ、どうすればいいのか

「日本のピアノ教育は遅れている」と批判するだけでは、何も変わりません。大事なのは、今の日本の環境の中で、海外の良いところをどう取り入れるかです。

親御さんが意識を変えるだけで、子どもの音楽体験は変わる

教室やカリキュラムを変えなくても、お家での関わり方を少し変えるだけで、子どもの音楽との付き合い方は大きく変わります。

たとえば、「今日は何の曲練習したの?」ではなく「今日弾いた曲、どんな気持ちだった?」と聞いてみる。

「間違えないで弾けた?」ではなく「楽しく弾けた?」と聞いてみる。

この問いかけの違いが、子どもの中の「音楽=正しく弾くもの」を「音楽=感じるもの」に少しずつ変えていきます。

「正解のない時間」を大切にする

楽譜にない音を弾いてみる。好きなように鍵盤を触ってみる。テレビの音楽に合わせて適当に弾いてみる。

これは「遊び」です。でも、ヨーロッパではこの「遊び」が、音楽教育のいちばん大切な土台だと考えられています。

正解のない時間の中で、自分の感覚を信じて音を出す。この経験が、将来「自分の音楽を持っている人」を育てるんです。

ピアノは「正しく弾く」ためのものじゃない。「自分を表現する」ためのもの。その感覚を、幼少期から持てるかどうかで、音楽との付き合い方が一生変わります。

ドイツ留学で私が学んだ、いちばん大事なこと

ドイツで音楽を学んだ4ヶ月間、海外(ハンガリー)の先生に師事した3年間で、テクニック以上に叩き込まれたのは、「あなたはどう感じるのか」という問いかけでした。

先生が「ここはこう弾きなさい」と言うことは、ほとんどありませんでした。代わりに、「あなたはこの部分をどう弾きたい?」「なぜそう弾きたいの?」と、ひたすら問われ続けた。

最初は戸惑いました。日本では「先生の言う通り」が正解だったから。自分の意見を求められても、何も出てこない。

でも、少しずつ「自分の音」を見つけていく中で、ピアノを弾くことが「課題をこなすこと」から「自分を表現すること」に変わっていった。あの経験がなかったら、今のレッスンスタイルは生まれていません。

ピアノノギフトが目指していること

ピアノノギフトのレッスンは、「弾けるようになること」だけをゴールにしていません。

もちろん、弾けるようになることは大事です。でも、それ以上に大切にしているのは、子どもが「自分で感じて、自分で表現できる」ようになること。

レッスンで大事にしていること

「この曲、どんな色に見える?」「この部分、悲しい感じ?ワクワクする感じ?」。子ども自身の感覚を引き出してから、それを音にする方法を一緒に探す。

間違えても止めない。音楽を止めるより、流れの中で自分で立て直す力のほうが大切だから。

教本を順番通りに進めることよりも、その子が「今いちばん弾きたい曲」を弾く時間を大切にする。

日本にいながら、ヨーロッパの音楽教育の哲学を取り入れたレッスン。それが、ピアノノギフトの目指すものです。

「正しく弾ける子」ではなく「自分の音楽を持っている子」を育てたい。それが、ドイツで学んだ私が、日本の子どもたちに伝えたいことです。

お子さんに「自分の音楽」を届けたいママへ

ピアノノギフトは、日比谷・三田・田町エリアで、子どもの感性と表現力を育てるピアノ教室を運営しています。

「弾けるようになる」はもちろん、「自分で感じる」「自分で表現する」「音楽を心から楽しむ」。その力を、レッスンの中で一緒に育てていきます。

ヨーロッパ式の音楽教育に興味がある方、「うちの子には自分の表現力を育ててほしい」と思っている方。ぜひ一度、体験レッスンにいらしてください。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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