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子どもが失敗を恐れて挑戦しない──原因と「やってみる」を育てる5つの方法

「やりたくない」「できないからやらない」
お子さんがそう言うとき、心の中では何が起きているのでしょうか。
失敗を恐れる子には、理由があります。そして、変われるきっかけもあります。

新しい遊びに誘っても「いい、やらない」。お絵描きを始めても「うまく描けないからやめる」。お友だちがやっていることを、じっと見ているだけ。

「なんでやってみないの?」と言いたくなる気持ち、とてもよくわかります。

でも、お子さんの中では「やりたくない」ではなく、「失敗するのが怖い」「間違えたらどうしよう」という気持ちが渦巻いています。

この記事では、子どもが失敗を恐れる原因と、挑戦する心を育てるためにママができることをお伝えします。

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なぜ子どもは「失敗」を恐れるようになるのか

生まれたばかりの赤ちゃんは、失敗を恐れません。何度転んでも立ち上がるし、何度落としても拾おうとする。

では、いつから「失敗が怖い」と感じるようになるのでしょうか。

原因1:「結果」で評価された経験

「上手にできたね!」──この言葉は一見ポジティブですが、繰り返されると、子どもは「上手にできないとダメなんだ」と感じ始めます。

失敗を恐れる子の多くは、「結果で評価される」ことを学んでしまった子です。

原因2:失敗したときに叱られた・笑われた経験

「だから言ったでしょ」「なんでできないの」──失敗したときにこう言われた経験があると、子どもは「失敗=怒られること」と記憶します。

原因3:「完璧でなければ」というプレッシャー

周りの大人が完璧を求めすぎると、子どもは「中途半端な結果を出すくらいなら、最初からやらないほうがいい」と感じるようになります。

原因4:慎重な性格(=悪いことではない)

生まれつき慎重な気質を持った子もいます。これは「臆病」ではなく「慎重」。慎重さは、丁寧さや観察力という強みの裏返しです。

ママが知らずにやっている「挑戦をつぶす」声かけ

挑戦をつぶす声かけ

「ほら、だから言ったでしょ」

挑戦を育てる声かけ

「やってみたんだね、えらいね」

失敗のあとに「だから言ったでしょ」と言うと、子どもは「次から挑戦するのをやめよう」と学びます。

挑戦をつぶす声かけ

「失敗しないようにね」

挑戦を育てる声かけ

「失敗しても大丈夫だよ」

挑戦をつぶす声かけ

「〇〇ちゃんはできてるよ」

挑戦を育てる声かけ

「あなたのペースでいいんだよ」

挑戦をつぶす声かけ

「なんでやらないの?」

挑戦を育てる声かけ

「やりたくなったら言ってね、
ママは待ってるよ」

子どもは「いつでも戻れる場所」があるから、一歩踏み出せるのです。

「挑戦する心」を育てる5つの方法

1「結果」ではなく「挑戦したこと」を認める

「やってみたんだね」「挑戦できたね」──この言葉が、次の挑戦への勇気になります。挑戦すること自体に価値があると知った子は、失敗を恐れなくなります

2ママが「失敗する姿」を見せる

ママが料理を失敗して「あちゃー、焦がしちゃった!まあいいか」と笑う。新しいことに挑戦して「ママもやったことないけど、やってみよう」と言う。

ママが失敗しても平気でいる姿を見ると、子どもは「失敗って、そんなに怖いことじゃないんだ」と体で理解します。

3「小さな挑戦」から始める

「ちょっとだけやってみる?」「最初の1回だけでいいよ」小さなステップを用意して、「やれた!」を体験させてあげてください。

4「失敗の意味」を教える

「うまくいかなかったね。でも、どこがうまくいかなかったかわかったでしょ?それってすごいことだよ」

失敗から学べることを知った子は、失敗を「終わり」ではなく「始まり」として受け止められるようになります。

5「待つ」ことを恐れない

慎重な子は、挑戦するまでに時間がかかります。「見ているだけ」の時間も、実は学びの時間です。

「まだやらないの?」ではなく、「あなたのタイミングでいいよ」。ママが待ってくれるという安心感が、いちばんの後押しになります。

ピアノが「挑戦する心」を育てる理由

「失敗しても大丈夫」を何百回も体験できる

ピアノの練習では、間違えることは日常です。ミスして、やり直して、またミスして、またやり直す。この「間違えても世界は終わらない」という体験を何百回と繰り返すうちに、失敗への恐怖が薄れていきます。

「昨日の自分」を超える体験ができる

昨日弾けなかったフレーズが、今日弾けるようになる。「できなかったことが、できるようになる」──この体験を繰り返すことで、子どもは「やってみれば変わるかもしれない」と信じられるようになります

マンツーマンだから「安全な場所」で挑戦できる

グループの中で失敗するのは怖い。でも、先生と1対1の空間なら、失敗しても恥ずかしくない。マンツーマンレッスンは、失敗を恐れる子にとって「安全に挑戦できる場所」です。

レッスンでのエピソード

5歳のQちゃんは、新しい曲を渡すと必ず「できない」と言う子でした。弾く前から「できない」。楽譜を見ただけで「無理」。

でも、私は知っていました。Qちゃんは、前の曲も最初は「できない」と言っていたこと。そして、毎回ちゃんとできるようになっていたこと。

だから、こう言いました。「覚えてる?前の曲も最初は『できない』って言ってたよね。でも、できるようになったよね。今回もきっと同じだよ」

Qちゃんは少し考えて、「……じゃあ、ちょっとだけやってみる」と言いました。

それから3か月。Qちゃんは今でも新しい曲で「難しい」とは言いますが、「できない」とは言わなくなりました。代わりに「やってみる」と言うようになりました。

「できない」を「やってみる」に変えるのに必要なのは、大きな勇気ではなく、小さな成功体験の積み重ねと、「待ってくれる大人」の存在なのだと改めて感じました。

よくある質問

Q. 失敗を恐れるのは性格だから変わらないのでは?
A. 慎重な性格は変わりませんし、変える必要もありません。でも、「失敗しても大丈夫」という安心感は、経験によって育てることができます。性格は変えずに、安心感を足してあげるイメージです。
Q. 「やりなさい」と背中を押すべきですか?
A. 押すよりも、「いつでもいいよ」と待つほうが効果的なことが多いです。無理に押すと、挑戦そのものがさらに怖くなることがあります。お子さんが「やってみようかな」と思える環境をつくって、自分のタイミングで動き出すのを待ってあげてください。
Q. 失敗を恐れる子にピアノは向いていますか?
A. とても向いています。ピアノは「間違えて当たり前」の世界です。マンツーマンのレッスンなら、安全な環境で何度でも失敗できます。そして、「できた!」という成功体験が確実に積めるので、少しずつ挑戦への恐怖が薄れていきます。
Q. 挑戦する心を育てるのに、何歳からでも遅くないですか?
A. 何歳からでも遅くありません。ただ、幼少期のほうが「失敗=怖い」という思い込みが固まっていないので、変化が起きやすいです。早ければ早いほど、「失敗しても大丈夫」を心の深い部分に刻めます。

失敗を恐れるお子さんは、「弱い子」ではありません。「がんばりたい気持ち」が強いからこそ、失敗が怖いのです。

必要なのは、「もっとがんばれ」ではなく、「失敗しても大丈夫だよ」という安心感。そして、小さな「やってみた」「できた」を積み重ねていくこと。

半年後、お子さんが「やってみる」と自分から言えるようになる日──その日は、今日の小さな一歩の先にあります。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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