「集中力が続かないんです」。ピアノを習わせているママから、よく聞く言葉です。
スマホやゲームで、気が散りやすい時代。じっと一つのことに向かうのが、難しくなっています。
でも実は、ピアノには「今ここ」に没頭する力を育てる、禅にも通じる時間があるんです。
今日は、「禅」のお話をさせてください。
禅は「今ここ」に集中する教え
禅は、鎌倉時代に日本へ広まった仏教の教えです。
中でも道元というお坊さんは、「只管打坐(しかんたざ)」──ただひたすら坐る、という坐禅を説きました。
面白いのは、坐禅は何かのための「手段」ではない、ということ。坐っているその時間そのものが目的なんです。
今この瞬間に、ただ集中する。それが、禅のいちばんの核心です。
調身・調息・調心
坐禅では、三つのことを調えると言われます。
姿勢を調える「調身」。呼吸を調える「調息」。そして、心を調える「調心」。
姿勢を正し、息を整えると、不思議と心も静かに整っていく。体・呼吸・心は、つながっているんですね。
これ、ピアノとそっくりだと思いませんか。
ピアノは「動く禅」
ピアノに向かうとき、子どもは自然と同じことをしています。
背すじを伸ばし(調身)、ふっと息を整え(調息)、今弾く一音に心を向ける(調心)。
鍵盤に集中している間、子どもの頭の中からは、雑念がすっと消えています。スマホもゲームも忘れて、今この一音だけになる。
それは、いわば「動く禅」。集中する心の、筋トレなんです。
「上手に」より「今ここに」
ここで、親としての心がけをひとつ。
つい「上手に弾けたか」という結果を見てしまいますが、禅の目で見ると、大切なのは別のところにあります。
上手かどうかより、今この一音に、ちゃんと心を込められているか。結果ではなく、向き合っている「今」そのものです。
先日、一音一音をていねいに置く子の姿を見て、その集中の深さに、私はとても心を打たれました。上手さ以上に、その「今ここ」が美しかったんです。
おわりに
禅は、今この瞬間に心を込めることを教えてくれます。ピアノもまた、子どもに「今ここ」に没頭する時間をくれます。
気が散りやすい時代だからこそ、一つのことにじっと向かう時間は、とても貴重です。
ピアノノギフトの体験レッスンでは、上手さだけでなく、その子が「今ここ」に集中する心を大切にしています。
お子さんが一音に没頭する、静かで豊かな時間を、ぜひ一度のぞいてみてください。

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