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「叩いちゃう子」は悪い子じゃない|衝動と行動の間に音楽を置く

お子さんがお友達を叩いてしまったとき。弟や妹を噛んでしまったとき。
「どうしてそんなことするの!」と言いたくなる気持ち、とてもよくわかります。

でも、一つだけ思い出してほしいことがあります。
叩かれた子も傷ついている。でも、叩いてしまった子も、傷ついています。

自分の体が勝手に暴れてしまう恐怖。「またやっちゃった」という罪悪感。
お子さん自身も、その行動に苦しんでいるのです。

今日は、海外の児童心理学で注目されている「衝動と行動の間に空間を作る」という考え方をもとに、ピアノがその「空間」になれる理由をお話しします。

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「衝動」と「行動」は、別のものです

お子さんが誰かを叩いたり、噛んだりしてしまうとき。
多くのママは「この子は乱暴だ」「攻撃的だ」と感じてしまいます。

でも、ここで大切な考え方があります。

問題は「衝動」そのものではありません。
問題は、衝動と行動の間に「空間」がないことです。

両手を前に出してみてください。
片方の手が「怒りの衝動」。もう片方の手が「叩くという行動」。
この2つの手がパチンとくっついてしまうのが、叩いてしまう瞬間です。

でも、この2つの手の間に少しだけ空間を作ることができたら?
その空間の中で、お子さんは「叩く以外の方法」を選べるようになります。

ここがポイント

お子さんに必要なのは、「怒らないこと」ではありません。
怒りを感じてから行動するまでの間に、ほんの少しの「間」を作る練習です。

「恥」は行動を変えない。むしろ悪化させる

お子さんが叩いてしまったとき、つい言ってしまいがちな言葉があります。

「なんでそんなことするの!」
「うちではそんなことしません!」
「ちゃんと謝りなさい!」

気持ちはとてもわかります。でも、こうした言葉は多くの場合、逆効果です。

恥は行動に「くっつく」性質があります。
恥を感じた子どもは、その行動からますます抜け出せなくなります。
「自分は悪い子なんだ」と思い込むと、「悪い子らしく」振る舞うことが増えてしまうのです。

大切なのは、行動とアイデンティティを分けること。

「叩いたこと」は良くない。でも、「あなた」は悪くない。
「叩かせないよ。あなたはいい子だよ。つらい時間だったんだね」
——この言葉の順番が、お子さんの心を変えていきます。

ピアノが「衝動と行動の間」に入ってくれる

では、どうすればお子さんの中に「空間」を作ることができるのでしょうか。

実は、ピアノにはその力があります。

①体のエネルギーを、音に変えられる

叩いてしまう子、噛んでしまう子は、体の中にエネルギーが溢れています。
そのエネルギーを出す場所がないから、人に向かってしまう。

ピアノは、そのエネルギーを「音」に変えてくれる楽器です。

息子が怒ったとき、以前は弟を叩いていたんです。でもピアノを始めてから、怒ると鍵盤をバーンって叩くようになりました。先生に相談したら「それでいいんですよ、音に出せているってことだから」と言ってもらえて。少しずつ、叩く音もやさしくなっていきました。

——5歳の生徒さんのママ

鍵盤をバンバン叩くことは、人を叩くこととはまったく違います。
ピアノの前では、どんなに強く弾いても、誰も傷つきません。
それが、お子さんにとってどれほど安心できることか。

②「練習」が、感情のリハーサルになる

ピアノのレッスンでは、同じフレーズを何度も繰り返し練習します。
うまくいかない→もう一回→少しできた→もう一回。

この「うまくいかないけど、もう一回やる」の繰り返しは、まさに衝動と行動の間に空間を作る練習そのものです。

ここがポイント

ピアノの練習は、「感情のリハーサル」です。
うまくいかなくて悔しい→でも投げ出さない→もう一回やってみる。
この体験を毎週繰り返すことで、お子さんの中に「衝動と行動の間の空間」が少しずつ広がっていきます。

③先生の「しっかりした声」が安心になる

自分の体が制御できないとき、子どもが一番必要としているのは「怖い大人」ではなく「しっかりした大人」です。

怒鳴る声ではなく、落ち着いた、でも揺るがない声。
「大丈夫。ここにいるよ。一緒にやろう」と言ってくれる存在。

レッスン中に娘が悔しくて泣き出したとき、先生が慌てずに「大丈夫だよ、ここで泣いていいよ。落ち着いたらまた弾こうね」と言ってくれたんです。娘はしばらく泣いて、それから自分でピアノに向かいました。あの対応を見て、私自身も学びました。

——6歳の生徒さんのママ

ピアノの先生は、お子さんにとって「安心できるしっかりした大人」のひとりになれます。
ママでもパパでもない第三者が、お子さんの感情を怖がらずに受け止めてくれる。
その経験が、お子さんの「自分は大丈夫なんだ」という感覚を育てます。

「感情的ワクチン」としてのピアノ

海外の子育て研究では、「感情的ワクチン接種」という考え方が注目されています。
これは、お子さんが困難な場面に直面する前に、その場面で感じるかもしれない感情をあらかじめ体験しておくこと。

ピアノのレッスンは、まさにこの「感情的ワクチン」の時間です。

✔ うまく弾けなくて悔しい → でも先生が「大丈夫」と言ってくれた
✔ 間違えて恥ずかしい → でも誰にも笑われなかった
✔ もうやりたくない → でも、もう一回やったらできた
✔ 発表会で緊張した → でも、やり切れた

こうした小さな「困難→安心→克服」の体験を毎週繰り返すことで、お子さんの中に「感情の免疫力」が育っていきます。
日常生活でお友達とぶつかったとき、思い通りにならなかったとき。
ピアノで培った「間」が、お子さんを守ってくれるのです。

叩いてしまう子のママへ

お子さんが誰かを叩いてしまうたびに、「私の育て方が悪いのかな」と自分を責めていませんか。

あなたは悪いママではありません。
お子さんも悪い子ではありません。
ただ、体の中にある大きな感情を、まだうまく扱えないだけ。

そして、それは練習すればできるようになります。
ピアノの前に座って、鍵盤に触れて、音を出す。
その時間が、お子さんの中に少しずつ「空間」を作ってくれます。

✔ 衝動と行動の間に「音楽」を置ける
✔ 体のエネルギーを安全に放出できる
✔ 「間違えても大丈夫」を毎週体験できる
✔ しっかりした大人にもう一人見守ってもらえる
✔ 「悪い子」ではなく「がんばっている子」として見てもらえる

お子さんの行動に悩んでいるなら、「叱る」でも「放っておく」でもない、第三の選択肢を試してみてください。
ピアノという安全な場所で、お子さんの感情の力を、音楽の力に変えていきましょう。

ピアノノギフトでは、体験レッスンを受け付けています。
お子さんの「やってみたい」を、一緒に見つけにきてください。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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