「世界一の教育」と呼ばれるフィンランド。
テストも宿題もほとんどないのに、子どもたちの学力は世界トップクラス。
しかも、フィンランドは「世界幸福度ランキング」で何年も連続1位を獲得している国でもあります。
そんなフィンランドの教育を調べていくと、私たちピアノ教室が大切にしていることと、驚くほど重なる部分がありました。
フィンランドの教育はなぜ「世界一」と言われるのか
フィンランドの教育が世界的に注目されたきっかけは、2000年に始まったOECDの国際学力調査「PISA」でした。
フィンランドは、2000年の調査で読解力が世界1位、科学的リテラシーが3位に。2003年には読解力1位・数学2位・科学1位と、主要3分野すべてで世界トップクラスの成績を記録しました。
しかも、フィンランドの子どもたちは、世界で最も宿題が少ないと言われています。
OECDのデータによると、フィンランドの小学生の家庭学習時間は1日30分程度。テスト漬けでも、詰め込みでもない。それなのに、学力は世界トップなのです。
高校卒業率も93%を超えており(アメリカは76%)、「落ちこぼれを作らない教育」としても高く評価されています。
フィンランド教育の5つの特徴
では、フィンランドの教育には具体的にどんな特徴があるのでしょうか。
調べていくと、5つの大きな柱が見えてきました。
7歳まで「勉強」をしない
フィンランドでは、基礎教育(小学校)が始まるのは7歳から。それまでは、読み書きや計算を教え込むのではなく、遊びを通して個性やコミュニケーション能力、自尊心を育てることが優先されています。
テストや順位づけがほとんどない
全国一斉の学力テストは存在せず、評価は担任の先生が日常の中で行います。子ども同士を比べるのではなく、「その子自身がどう成長しているか」を見る文化です。
授業時間が短く、休み時間が多い
フィンランドの学校では、45分の授業ごとに15分の外遊びの時間が設けられています。1日の中で、子どもたちは平均75分以上を屋外で過ごします。冬の寒い日でも、外に出て体を動かすことが日課です。
先生の質がとても高い
フィンランドでは、小学校の教員になるためにも修士号(大学院卒)が必要です。教師は社会的に尊敬される職業であり、高い専門性を持った先生が、一人ひとりの子どもに寄り添った教育を行っています。
「平等」が教育の根っこにある
フィンランドの教育は、すべての子どもに等しく質の高い教育を届けることを大切にしています。家庭の経済状況や住んでいる地域に関係なく、どの子も同じように学べる環境が整えられています。
フィンランドが大切にしている「遊びからの学び」
フィンランドの幼児教育で最も重要視されているのが、「遊びを通した学び(Play-based Learning)」です。
これは単に「自由に遊ばせる」ということではありません。
フィンランドの教育研究者によると、遊びの中で子どもたちに育つのは、次のような力です。
✔ 自分で考えて行動する力(自主性)
✔ 友だちと協力する力(コミュニケーション能力)
✔ 失敗しても「もう一回やってみよう」と思える力(自己効力感)
✔ 感情をコントロールする力(自己調整力)
これらはすべて、「非認知能力」と呼ばれるものです。
テストでは測れないけれど、子どもの人生を大きく左右する力。フィンランドの教育は、この非認知能力を「教える」のではなく、遊びの中で「結果的に育つ」ように環境を整えているのです。
フィンランドの先生たちは、子どもの活動をリードするのではなく、一歩引いて見守ります。
子ども同士でトラブルが起きたときも、すぐに解決するのではなく「自分たちでどうしたらいいか考えられるように促す」ことを大切にしています。
フィンランドは「音楽教育」もすごかった
実は、フィンランドは音楽教育においても世界的に知られた国です。
フィンランドには「Musiikkiopisto(ムシーッキオピスト)」と呼ばれる子どものための音楽学校が全国に約90校あり、約67,000人の子どもたちが通っています。
そしてここが驚くところなのですが、これらの音楽学校は国と自治体から助成金を受けて運営されています。
つまり、家庭の経済状況に関係なく、子どもたちが音楽を学べる仕組みが国レベルで整っているのです。
✔ 音楽学校は国と自治体の助成で運営され、授業料が安い
✔ 低所得家庭には授業料の減免制度がある
✔ 入学した最初の1年間は楽器を無料で借りられる
✔ 生徒の約36%(約24,000人)は7歳未満の幼児
フィンランドの音楽教育で大切にされているのは、「上手に弾けること」だけではありません。
創造性、即興演奏、そしてアンサンブル(みんなで一緒に演奏すること)が重視されています。楽器が少し弾けるようになったら、すぐにオーケストラや室内楽に参加させる。「音楽は一人で完結するものではなく、人とつながるもの」という考え方が根底にあるのです。
フィンランドの教育と、ピアノ教室の共通点
フィンランドの教育について調べれば調べるほど、私たちのピアノ教室が大切にしていることと重なる部分が見えてきました。
「比べない」こと
フィンランドには、子ども同士を順位で比べる文化がありません。ピアノノギフトでも同じです。「あの子より上手」「この子より遅い」ではなく、その子自身の「昨日よりできた」を一緒に喜びます。
「遊び」の中に学びがあること
フィンランドの幼児教育は、遊びの中で自然に学ぶことを大切にしています。ピアノのレッスンも同じです。とくに小さなお子さんのレッスンでは、歌ったり、リズムで遊んだり、音を探検したり。「楽しい」の先に、自然と音楽の力が育っていきます。
「自分で考える力」を育てること
フィンランドの先生は、答えをすぐに教えません。子どもが自分で考え、自分で気づくのを待ちます。ピアノの練習もそう。「ここ、どう弾いたらきれいかな?」と問いかけることで、子ども自身が音楽を感じ、考える力が育っていきます。
「非認知能力」が自然に育つこと
集中力、忍耐力、自己表現力、感情のコントロール。フィンランドが遊びの中で育てようとしているこれらの力は、ピアノを通しても自然に育まれます。毎週のレッスンで「練習→できた!」を繰り返すことが、子どもの自己効力感を静かに育てているのです。
フィンランドが国をあげて取り組んでいる「遊びを通した非認知能力の育成」。
その考え方は、実は昔から世界中のピアノ教室が自然にやってきたことと、とてもよく似ているのです。
「世界一の教育」が教えてくれること
フィンランドの教育を知ると、こんなことに気づかされます。
子どもは、「教え込まれる」ことで伸びるのではない。
安心できる環境の中で、自分のペースで、夢中になれる体験を重ねることで伸びていく。
テストの点数や、他の子との比較ではなく。
その子自身が「やってみたい」と思えること。
「できた!」と感じられる瞬間。
それを誰かが見ていてくれること。
フィンランドが大切にしているのは、そういうことです。
そして、ピアノという習い事には、それがあります。
うちの子、最初は鍵盤を押すだけで楽しそうだったんです。それが少しずつ曲になって、「ママ聴いて!」って弾いてくれるようになって。あの顔を見ると、やらせてよかったなって思います。
——4歳の生徒さんのママ
テストもない。順位もない。ただ、音楽と向き合う時間がある。
その中で子どもは、自分で感じ、自分で考え、自分の手で音を紡いでいく。
それは、フィンランドが国の教育政策として目指していることと、同じ方向を向いています。
ピアノノギフトが目指していること
フィンランドの教育を調べて、私はあらためて確信しました。
ピアノノギフトが大切にしていることは、間違っていなかった、と。
✔ 子どもを比べない。その子のペースを大切にする
✔ 「できた!」の積み重ねで、自信を育てる
✔ 音楽を通して、感じる力・考える力・表現する力を伸ばす
✔ レッスンの時間が、子どもにとって安心できる居場所になる
フィンランドでは、音楽は「特別な才能がある子だけのもの」ではありません。
すべての子どもに、音楽を学ぶ機会が開かれています。
私も同じ気持ちです。
ピアノが上手になることだけがゴールではない。
ピアノを通して、お子さんの中にある力が、自然に花開いていく。
「またやってみたい」と思える体験を、一つひとつ重ねていく。
それが、ピアノノギフトが目指している教室のかたちです。
フィンランドの教育が大切にしている「遊び」「自主性」「非認知能力」。
ピアノノギフトでは、音楽を通してこれらの力を育てるレッスンを行っています。


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