「うちの子、楽譜が読めないんです」。ピアノを習っているのに楽譜が読めない、読むのが遅い、いつも耳で覚えて弾いている。こうした悩みを持つお母さんは多いです。
でも安心してください。譜読みが苦手な子は珍しくありません。そして、苦手なままでも焦る必要はありません。大切なのは、苦手意識を「嫌い」に変えないこと。お子さんのペースに合わせた寄り添い方をお伝えします。
なぜ譜読みが苦手なのか
譜読みが苦手な子には、いくつかの理由があります。
まず、耳がいい子ほど譜読みが苦手になりやすいということ。音を聴いて覚えられてしまうので、楽譜を読む必要を感じない。先生の演奏を一度聴けば弾けてしまうから、楽譜を見る習慣がつかないのです。
次に、楽譜は「もう一つの言語」だということ。日本語を読めるようになるまでに何年もかかったように、音楽の言語である楽譜も、読めるようになるまでには時間がかかります。
そして、一度「苦手」と思ってしまうと、楽譜を見ること自体を避けるようになる。避けるからますます読めない。この悪循環に入ってしまうことがあります。
お家でできる寄り添い方
いきなり「楽譜を読みなさい」と言わず、まずは楽譜を「見る」習慣をつけましょう。「この音、上がってるね」「ここから音が下がるね」。音の高さの動きを視覚的に追うだけでも、譜読みの土台になります。
五線譜に音符が書かれたカードを使って、「これは何の音?」とクイズ形式で遊ぶ。正解するたびに褒める。1日3問でも、毎日やれば確実に読めるようになります。勉強ではなく遊びにしてしまうのがコツです。
新しい曲を弾く前に、楽譜を見ながらドレミで歌ってみる。声に出すことで、音と楽譜の位置が結びつきやすくなります。完璧に歌えなくても大丈夫。「楽譜を見ながら音を追う」という経験自体が大切です。
1曲全部を一度に読もうとすると大変です。最初の4小節だけ、右手だけ、というように小さく区切って取り組む。小さな成功を積み重ねることで、「読めた」という自信が育ちます。
耳で覚えることは「悪いこと」ではない
耳で覚えて弾くことを「ズル」のように感じる方もいますが、実はそうではありません。耳で音楽を捉えられるのは、立派な音楽的能力です。
プロの音楽家でも、耳コピが得意な人はたくさんいます。大切なのは、耳の力と読む力の両方をバランスよく育てること。どちらか一方ではなく、両方持っていることが理想です。
譜読みが苦手だった生徒さんが、小学校3年生くらいから急に読めるようになったケースを何度も見ています。脳の発達とともに、文字を読むように楽譜も読めるようになる時期が来ます。焦らず、その日が来るまで音楽を楽しむことを優先してほしいと思います。
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