間違えると泣く。完璧に弾けないと最初からやり直す。少しのミスも許せなくて、練習が進まない。
お子さんのこうした姿を見て、心配になったことはありませんか。完璧主義の子は、一見「真面目でいい子」に見えます。でも、その裏に「間違えることへの恐怖」を抱えていることがあります。ピアノレッスンの現場から、見守り方と崩し方をお伝えします。
完璧主義の子に見られるサイン
間違えた瞬間に弾くのをやめる。何度も同じところを繰り返して先に進めない。難しい曲に挑戦することを避ける。発表会に出たがらない。「できない」と泣く。
これらは完璧主義の子によく見られる行動です。共通しているのは、「失敗するくらいなら、やらないほうがいい」という心理です。
完璧主義はどこから来るのか
子どもの完璧主義には、いくつかの原因があります。
生まれ持った気質として、繊細で慎重な性格の子は完璧主義になりやすい傾向があります。また、「上手だね」「すごいね」と結果を褒められ続けると、「上手でいなきゃ」というプレッシャーになることがあります。
周囲の大人が完璧主義だと、それを無意識に学んでいることもあります。ママ自身が「ちゃんとしなきゃ」と思いがちなら、お子さんもその空気を吸って育っています。
ピアノで完璧主義を「ほどく」方法
「間違えてもいいよ」と言うだけでは、完璧主義の子には届きません。大切なのは、間違えた先に何が起きるかを体験させること。間違えても曲は続く。間違えても誰も怒らない。間違えても、やり直せる。この体験の積み重ねが、完璧主義をゆるめてくれます。
「プロセスを褒める」ことが効果的です。「上手に弾けたね」ではなく「最後まで弾けたね」「難しいところに挑戦したね」「昨日より良くなったね」。結果ではなく過程を認めることで、「完璧でなくても価値がある」と感じられるようになります。
先生やママが「わざと間違える」のも効果的です。「あ、ママも間違えちゃった。でも大丈夫だよね」。大人が完璧でない姿を見せることで、子どもは「間違えてもいいんだ」と安心できます。
完璧主義は「強み」にもなる
完璧主義は悪いことばかりではありません。丁寧さ、繊細さ、高い基準を持っていること。これらは適切にコントロールできれば、大きな強みになります。
大切なのは、「完璧を目指すこと」と「完璧でないと許せないこと」を分けてあげること。目標を高く持つのは素晴らしいけれど、途中経過の自分も認められるようになれば、完璧主義は最高の武器になります。
完璧主義の生徒さんが、発表会で小さなミスをした後も最後まで弾き切ったとき。泣きながらでも止まらずに弾き続けたとき。その姿を見て涙が出ました。完璧でなくても、その演奏は完璧に美しかった。その経験が、お子さんを一回り大きくしてくれます。
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