まだ言葉もわからない0歳の子と、どうやって音楽で遊べばいいの?
そんな疑問を持つお母さん・お父さんへ。
子ども専門のピアノ講師であり、0歳の息子を育てる母でもある私が、赤ちゃんと音楽の関係と、月齢別に楽しめる音楽遊びをわかりやすくまとめました。
結論:赤ちゃんにとって、いちばんの音楽は「大好きな人の声」です。
・0歳から、歌いかけや手遊びなどの音楽遊びを楽しめる
・音楽遊びは、聴く力やリズム感、親子のふれあいを育てるきっかけになる
・特別な教材やCDより、親が歌いかけ、反応を楽しむことが大切
上手に歌えなくても大丈夫。1日数分、目を見て歌いかけることから始めてみてください。
赤ちゃんはいつから音が聞こえている?
赤ちゃんは、お腹の中にいるときから音を感じていると言われています。妊娠後期には、お母さんの声や心臓の音、外の音楽なども、くぐもった形で届いているそうです。
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ視力がぼんやりしている一方で、耳はしっかり働いています。お母さんやお父さんの声に反応して、泣きやんだり、じっと聴き入ったりする姿が見られるのはそのためです。
つまり、赤ちゃんとの音楽遊びは、生まれたその日から始められるのです。
赤ちゃんと音楽遊びの効果
1. 歌いかけが、赤ちゃんの心を落ち着かせる
ハーバード大学の研究チームが行った実験では、赤ちゃんに世界各地の子守唄を聴かせたところ、聞いたことのない外国語の子守唄でも、心拍数が下がるなどリラックスした反応が見られました。ゆったりとした歌には、言葉がわからなくても赤ちゃんを落ち着かせる力があるようです。
2. リズム遊びが、「聴く力」の土台になる
ワシントン大学の研究では、生後9ヶ月の赤ちゃんが親と一緒にリズムに合わせて遊ぶ音楽セッションを12回体験したところ、音楽だけでなく「言葉」のリズムのパターンにも、脳がより強く反応するようになったと報告されています。音楽遊びは、言葉を聴きとる力の土台づくりにもつながる可能性があるのです。
3. 親子のふれあいと安心感が深まる
目を見て歌いかける、抱っこしてゆらゆら揺れる、手をとって一緒にリズムをとる。音楽遊びは、自然と親子のふれあいの時間になります。この安心感こそが、赤ちゃんが世界を広げていくための土台です。
4. ママ・パパの気持ちも、ふっとゆるむ
泣き止まない夜や、余裕がなくなった日も、歌を口ずさむと呼吸が深くなり、大人の気持ちも少し落ち着きます。音楽は、赤ちゃんのためだけでなく、育てる大人のためのものでもあります。
月齢別|0歳〜2歳の音楽遊び
赤ちゃんの成長に合わせて、楽しめる遊びも変わっていきます。月齢はあくまで目安なので、お子さんの様子を見ながら楽しんでください。
0〜3ヶ月|声のシャワーを浴びる時期
この時期は、たくさん声をかけ、歌いかけることがいちばんの音楽遊び。おむつ替えや授乳、沐浴のときに、同じ歌を口ずさんでみましょう。赤ちゃんが「あー」「うー」と声を出したら、同じ声でまねして返すのもおすすめです。
遊び方:歌いかけ/声のまねっこ/抱っこでゆらゆら
3〜6ヶ月|音を目と耳で追いかける時期
音のする方向に顔を向けたり、声を出して笑ったりするようになる時期です。ガラガラや鈴など、やさしい音のおもちゃを左右で鳴らして、音を追いかける遊びを楽しんでみてください。
遊び方:音の鳴るおもちゃ/ふれあい手遊び歌/声の高い・低いで遊ぶ
6〜9ヶ月|自分で音を出せる時期
おすわりが安定し、手でものをつかんで振れるようになると、自分で音を出す楽しさに気づきます。マラカスやタンバリン、鍋のふたとスプーンなど、身近なもので音を鳴らしてみましょう。
遊び方:たたく・振る楽器遊び/音楽に合わせて体を揺らす
9〜12ヶ月|まねっこと「やりとり」の時期
大人のまねが上手になる時期。手をたたくと同じようにたたいたり、音楽に合わせて体をはずませたりします。大人が鳴らしたら赤ちゃんが鳴らす、という「音のやりとり」を楽しんでみてください。
遊び方:まねっこ手拍子/音のやりとり/鍵盤に手をのせて鳴らす
1〜2歳|体全体で音楽を楽しむ時期
歩けるようになり、音楽に合わせて踊ったり、歌の一部を一緒に歌ったりする姿が見られます。音楽が止まったらピタッと止まる「ストップ&ゴー」や、絵本に効果音をつける遊びも楽しめるようになります。
遊び方:ダンス/ストップ&ゴー/絵本に音をつける
月齢別の早見表
| 月齢 | 赤ちゃんの様子 | おすすめの音楽遊び |
|---|---|---|
| 0〜3ヶ月 | 声に反応する、じっと聴き入る | 歌いかけ、声のまねっこ |
| 3〜6ヶ月 | 音の方向を追う、声を出して笑う | 音の鳴るおもちゃ、ふれあい手遊び |
| 6〜9ヶ月 | ものをつかんで振る、おすわり | マラカス・タンバリン遊び |
| 9〜12ヶ月 | まねっこが上手になる | まねっこ手拍子、音のやりとり |
| 1〜2歳 | 歩く、踊る、少し歌う | ダンス、ストップ&ゴー |
赤ちゃんとの音楽遊びを楽しむ5つのコツ
1. 上手に歌えなくていい
赤ちゃんにとって大切なのは、歌の上手さではなく、大好きな人の声であること。音程がずれても、歌詞を忘れても大丈夫です。
2. 録音より「生の声」を
CDや動画も便利ですが、目を見ながら歌いかける生の声には、表情や間合いといった「やりとり」があります。流しっぱなしにするより、一緒に楽しむ時間を大切にしてください。
3. 同じ歌をくり返す
赤ちゃんは、くり返しが大好き。いつもの歌は「安心の合図」になっていきます。
4. 赤ちゃんの反応をよく見る
笑う、手足を動かす、じっと見つめる。反対に、目をそらしたり、ぐずったりしたら「今日はおしまい」のサインです。
5. 音量はやさしく
赤ちゃんの耳はとても敏感です。音楽を流すときは小さめの音量にし、イヤホンやヘッドホンは使わないようにしましょう。
抱っこ紐でお買い物に行くとき、私が話しかけたり口ずさんだりすると、じっと顔を見て、小さな声でお返事をしてくれることがあります。
ピアノの先生として、たくさんの子どもたちと音楽をしてきましたが、言葉のない赤ちゃんとの「音のやりとり」は、音楽のいちばん原点にあるものだと感じています。
上手に弾けることより、まず「音って楽しい」「この人と一緒にいると安心」と感じること。その気持ちが、のちに楽器を習うときの、何よりの土台になります。
よくある質問
- 赤ちゃんとの音楽遊びは何ヶ月から始められますか?
- 生まれたその日から始められます。0〜3ヶ月のころは、歌いかけや声のまねっこが、いちばんの音楽遊びです。
- 赤ちゃんにはどんな音楽を聴かせるといいですか?
- ゆったりとしたテンポの子守唄や童謡、親が好きな歌がおすすめです。ジャンルにこだわるより、親が楽しんで歌えることが大切です。
- 音楽を聴かせると頭が良くなりますか?
- 音楽を流すだけで頭が良くなる、という単純なものではありません。ただ、親子で一緒にリズム遊びをすることで、音や言葉を聴きとる力の土台が育つ可能性を示す研究もあります。
- 歌が苦手でも大丈夫ですか?
- 大丈夫です。赤ちゃんにとって大切なのは歌の上手さではなく、大好きな人の声で歌いかけてもらうことです。
- 音楽はずっと流しっぱなしでもいいですか?
- BGMとして流すのはかまいませんが、小さめの音量にし、流しっぱなしよりも一緒に歌ったり体を動かしたりする時間を大切にしましょう。
まとめ
- 赤ちゃんは、お腹の中にいるときから音を感じている
- 歌いかけには赤ちゃんを落ち着かせる力があり、リズム遊びは聴く力の土台になる
- 月齢に合わせて、歌いかけ→音のおもちゃ→楽器遊び→ダンスと広げていく
- 上手さより「大好きな人の生の声」がいちばん
赤ちゃんとの音楽遊びのこと、子育てと音楽のこと、どうぞお気軽にご相談ください。
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