「子どものために」と思って選んだことなのに、ふと不安になることはありませんか。
「これって本当に、この子のためになっているのかな」
その問いを持てること自体が、子どもを大切に思っている証拠です。
今日は、迷ったときや不安なときに立ち止まって確認できるチェックリストをご紹介します。
「子どものため」が、いつのまにかずれてしまう理由
親が子どものためを思って行動するのは、とても自然なことです。ただ、その「ため」の中には、気づかないうちにいろいろな気持ちが混ざりこんでいきます。
- このままで大丈夫かな、という不安
- 周りの子はもうできているのに、という焦り
- 自分ができなかったことを、この子には、という願い
- ちゃんとした親でいたい、という思い
どれも、愛情から生まれる気持ちです。悪いものではありません。でも、こうした気持ちが大きくなりすぎると、いつのまにか「子どものため」が「親の安心のため」にすり替わってしまうことがあります。
だからこそ、ときどき立ち止まって確認することが大切なのです。
不安なときに確認したいチェックリスト
当てはまるものに、心の中でチェックをつけてみてください。正解・不正解はありません。今の自分の状態を知るためのものです。
① 動機のチェック|なぜ、そうしているの?
□ 不安や焦りから決めていないか「今やらないと手遅れになる」という気持ちが、いちばんの理由になっていませんか。
□ 周りの子と比べて決めていないか「〇〇ちゃんもやっているから」は、この子に合っている理由とは限りません。
□ 自分の叶えられなかった夢を託していないか親の夢と子どもの夢は、別のものかもしれません。
□ 「ちゃんとした親」に見られたいからではないか周りの目を気にした選択になっていないか、一度考えてみましょう。
② 子どもの声のチェック|この子は、どう感じている?
□ 本人の気持ちを聞いたか小さな子でも、「どう思う?」と聞くことはできます。
□ そのことをしているとき、子どもの表情は明るいか言葉より、表情や体のほうが正直に気持ちを伝えてくれます。
□ 嫌がるとき、その理由を聴こうとしたか「わがまま」と決めつける前に、何が嫌なのかを聴いてみましょう。
□ 子どもが自分で選べる余地はあるか全部を親が決めていると、子どもは「やらされている」と感じやすくなります。
③ 関わり方のチェック|手を出しすぎていない?
□ 先回りしすぎていないか困る前に助けてしまうと、自分で考える機会がなくなってしまいます。
□ 失敗する経験を奪っていないか小さな失敗と、そこから立ち直る経験は、子どもの大切な財産です。
□ 結果だけを見ていないか点数や順位より、取り組んだ過程に目を向けられていますか。
□ 何もしない時間、ぼーっとする時間はあるか予定でいっぱいの毎日では、子どもの「やりたい」が育つ余白がありません。
④ 親自身のチェック|あなたは大丈夫?
□ 自分が疲れすぎていないか余裕がないと、どんな選択も不安から生まれやすくなります。
□ 「やめる」という選択肢を持っているか続けることだけが正解ではありません。やめる勇気も、子どもを守る力です。
□ 誰かに相談できているかひとりで抱えこむと、不安はどんどん大きくなります。
習い事の場面で考えてみると
たとえばピアノの練習について、こんなふうに比べてみることができます。
| こんなとき | 立ち止まって考えたいこと |
|---|---|
| 「練習しなさい」が毎日の口ぐせになっている | 練習しない理由はどこにある?曲が難しい?弾きたい曲じゃない?疲れている? |
| 発表会で失敗して、親のほうが落ちこんでいる | 子ども自身はどう感じている?親の気持ちを子どもに背負わせていない? |
| 周りの子が進んでいて焦っている | この子のペースで、昨日より少しでも楽しめている? |
| 「やめたい」と言われて、つい反対してしまう | 何がつらいのか、まず最後まで聴けた? |
どの場面でも大切なのは、「どうすればやらせられるか」より先に、「この子は今、どんな気持ちでいるのか」を知ろうとすることです。
チェックがたくさんついても、自分を責めないで
このチェックリストは、親を採点するためのものではありません。たくさん当てはまったとしても、それは「ダメな親」という意味ではないのです。
むしろ、気づけたことがスタートです。親子の関係は、いつからでも修復できます。「ごめんね、ママ焦ってたかも」と一言伝えるだけで、子どもとの関係はまたやわらかく結び直されます。
迷ったときの、3つの問いかけ
チェックリストを見る時間がないときは、この3つだけ思い出してみてください。
この子は今、どんな顔をしている?
10年後、この子はこの時間をどう思い出す?
この3つに答えられたら、あなたの選択はきっと、子どもの心に寄り添ったものになっているはずです。
どれも「この子のために」と思ってのこと。でも、ふと立ち止まると、その中には私自身の不安も混ざっていたなと思います。
ピアノの先生として、たくさんの親子を見てきて感じるのは、子どもにとっていちばんの「ため」は、何かを与えられることより、そばにいる大人が穏やかでいてくれることなのかもしれない、ということです。
不安になったら、一度このチェックリストに戻ってきてください。私も、何度でも戻ってこようと思います。
おわりに
「本当にこの子のためになっているのかな」と悩むのは、真剣に向き合っているからこそ。その不安は、あなたが良い親である証です。
完璧な答えはありません。だからこそ、ときどき立ち止まって、子どもの顔を見て、自分の心に聞いてみる。その積み重ねが、子どもにとって本当に「ため」になる関わりを育てていきます。
習い事のこと、子育てのことで迷ったときは、どうぞお気軽にご相談ください。
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