「毎日ちゃんと練習しているのに、ぜんぜん上手くなってる気がしない…」
「このまま続けて意味があるのかな」
ピアノを習うお子さんのママ・パパから、よく聞くお悩みです。毎日そばで見ているからこそ、変化が感じられないと不安になりますよね。
でも、安心してください。上達を感じられない時期は、ほとんどの子に必ずやってきます。そしてそれは、成長が止まっているのではなく、次の伸びに向けて力をためている時期であることがほとんどです。
この記事では、ピアノの上達がどんな「成長曲線」をえがくのかを図で解説しながら、伸びを感じられない時期に親ができることをお伝えします。
- 親がイメージする成長と、実際の成長はちがう
- ピアノの上達は「階段」をえがく
- 上手くなってる気がしない、4つの理由
- 伸びを感じられない時期に、親ができること5つ
- 停滞期にやってはいけないこと
- よくある質問
- まとめ
1.親がイメージする成長と、実際の成長はちがう
多くの人は、成長を「練習すればするほど、まっすぐ右肩上がりに伸びていくもの」とイメージしています。でも実際の上達は、そんなにきれいな直線にはなりません。
実際の上達は、平らな時期(停滞期)と、ぐんと伸びる時期をくり返す
図のように、実際の成長は「伸び悩む時期」と「急に伸びる時期」をくり返しながら、階段のように上がっていきます。親が「上手くなってる気がしない」と感じるのは、たいていこの平らな部分(停滞期)にいるときです。
そして大切なのは、平らに見える時期も、見えないところで力はたまっているということ。ある日突然「あれ?弾けるようになってる!」という瞬間が訪れるのは、それまでの積み重ねがあったからです。
2.ピアノの上達は「階段」をえがく
ピアノの上達は、ざっくり分けると次のような段階をくり返しています。
| 段階 | 子どもの中で起きていること | 外から見た様子 |
|---|---|---|
| ① 新しいことに出会う | 新しい曲・技術・リズムにふれる | 弾けないところが多い |
| ② ためる(停滞期) | 指・耳・頭がつながろうとしている | 変化が見えにくい |
| ③ つながる | できなかったことが一気につながる | 急に弾けるようになる |
| ④ 定着する | できることが当たり前になる | 安定して弾ける |
そして④まで来ると、また新しい曲や技術に出会い、①に戻ります。つまり、停滞期があるのは、ちゃんと次のステップに進んでいる証拠でもあるのです。
3.上手くなってる気がしない、4つの理由
① 毎日見ているから、変化に気づきにくい
毎日そばにいると、小さな変化は見えにくいもの。久しぶりに会った親戚が「すごく上手になったね!」と驚くのは、時間をあけて見ているからです。
② 曲がどんどんむずかしくなっている
上達すればするほど、曲のレベルも上がっていきます。だから「いつも弾けない曲を練習している」ように見えますが、実はその「弾けない曲」のレベル自体が上がっているのです。
③ 見えない力が育っている
音を聴き分ける耳、楽譜を読む力、指が1本ずつ独立して動く力、集中力。これらは目に見えにくい力ですが、ピアノの土台となる大切な力です。弾ける曲の数だけでは、本当の成長は測れません。
④ 「上手」の基準が大人目線になっている
大人は無意識に「完成された演奏」と比べてしまいがち。でも子どもにとっては、先週よりひとつでもできることが増えたなら、それは立派な上達です。
4.伸びを感じられない時期に、親ができること5つ
いちばんおすすめなのがこれ。毎月同じ日に、スマホで1曲録っておくだけ。3か月後、半年後に見返すと、「こんなに変わってたんだ!」と親も子どもも驚くはずです。成長を「見える化」することで、親の不安も子どものやる気も変わります。
「両手で弾けるようになった」「楽譜を自分で読もうとしている」「間違えても止まらずに弾ける」。曲の完成度ではなく、できることの変化に目を向けてみてください。
半年前に苦労した曲を弾いてもらうと、驚くほどスラスラ弾けることがあります。子ども自身が「わたし、上手になってる」と実感できる、とても効果的な方法です。
停滞期に見えても、先生から見ると「今は読譜の力が伸びている時期」「指の基礎をつくっている時期」など、ちゃんと意味のある時期だったりします。気になったら遠慮なく聞いてみてください。
伸びを感じられない時期こそ、親の「待つ力」が試されます。階段の踊り場にいるだけと信じて、変わらず応援し続けることが、次の伸びにつながります。
次のジャンプのために力をためている時期。
5.停滞期にやってはいけないこと
- 「全然上手くならないね」と口に出す――子どもは「自分はダメなんだ」と受け取ってしまいます
- 練習量をいきなり増やす――焦りから量を増やすと、ピアノがつらいものになりがち
- ほかの子と比べる――成長のタイミングは一人ひとりちがいます
- すぐに「向いていない」と決めつける――停滞期は、向き不向きとは関係ありません
停滞期に親が焦ってしまうと、その焦りは子どもにも伝わります。親が落ち着いていることが、子どもが停滞期を乗り越える一番の支えです。
6.よくある質問
- Q.停滞期はどのくらい続くもの?
- 子どもや取り組んでいる内容によってさまざまで、数週間のこともあれば、数か月続くこともあります。期間よりも、レッスンに通い続け、少しずつでも練習を続けられているかを大切にしてください。
- Q.毎日練習しているのに伸びないのは、練習方法が悪いから?
- 練習方法に工夫の余地がある場合もありますが、停滞期そのものは誰にでもある自然な時期です。気になる場合は、先生に家での練習の様子を伝えて、練習の仕方を一緒に見直してもらいましょう。
- Q.子ども自身が「上手くならない」と落ち込んでいたら?
- 前に弾いた曲を弾いてもらったり、以前の録音を一緒に聴いたりして、成長を実感できる機会をつくってあげてください。「あの頃はこれが弾けなかったんだよ」という言葉が、自信を取り戻すきっかけになります。
7.まとめ
- ピアノの上達は直線ではなく、停滞期と急成長をくり返す「階段」
- 上手くなってる気がしないのは、毎日見ている・曲がむずかしくなっている・見えない力が育っている・基準が大人目線、だから
- 親ができること:月1回の録音/できるようになったことを見る/前の曲を弾いてもらう/先生に聞く/待つと決める
- 停滞期に「上手くならないね」「比べる」「量を増やす」はNG
毎日練習を見守っているからこそ、変化が見えなくて不安になる。それは、それだけ真剣にお子さんのピアノに向き合っている証拠です。
でも、どうか信じてください。毎日の小さな積み重ねは、必ずどこかで実を結びます。ある日突然「弾けた!」と目を輝かせる瞬間は、きっとやってきます。
ピアノノギフトでは、目に見える上達だけでなく、子どもの中で育っている見えない力にも目を向けながら、一人ひとりのペースで成長を見守っています。
ピアノノギフト 主宰 湖苗美
日比谷・三田・田町エリアの子どもピアノ教室。
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