レッスンをしていて、ずっと感じていることがあります。
子どもが新しいことに挑戦できるかどうかは、その子の才能や性格だけで決まるわけじゃない。
いちばん大きいのは、そばにいるママが「大丈夫だよ」と送り出せるかどうか。
ママの自信が、子どもの挑戦を支えている。私はそう確信しています。
「良かれと思って」が、挑戦の芽を摘んでしまうこと
ピアノの体験レッスンに来てくれたとき、こんな場面をよく見かけます。
子どもが鍵盤に手を伸ばそうとした瞬間、ママが「ほら、先生の言うとおりにして」と手を引いてしまう。子どもが自分なりの弾き方を見つけようとしているのに、「違うよ、こうだよ」と先に正解を教えてしまう。
悪気は、まったくありません。むしろ、我が子に恥をかかせたくない、失敗させたくないという愛情からの行動です。
でも、子どもにとっての「失敗」は、大人が思うほど怖いものではありません。むしろ、失敗できる場所があることが、挑戦する力を育てます。
自信のないママは、無意識のうちに子どもの失敗を先回りして防ごうとします。
転ぶ前に手を出す。間違える前に答えを教える。傷つく前に引き止める。
それは愛情です。でも、その愛情が「挑戦してみよう」という気持ちの芽を、知らないうちに摘んでしまうことがあるんです。
日本の教育に静かに根づいている「空気」
これは、ひとりのママの問題ではありません。
日本の教育には「失敗しないこと」が良いとされる空気が、昔からずっと流れています。
みんなと同じようにできること。先生の言うとおりにできること。間違えないこと。はみ出さないこと。
その空気の中で育ったママたちが、自分の子どもにも同じことを求めてしまうのは、ある意味で当然のことです。
「ちゃんとしなきゃ」の連鎖
「ちゃんとしなさい」と言われて育ったママは、自分の子どもにも「ちゃんとしなさい」と言ってしまう。
それは、悪意ではなく習慣です。自分が知っている「正しさ」を子どもにも伝えたいだけ。
でも、「ちゃんとする」ことを求め続けると、子どもは失敗を恐れるようになります。新しいことに手を出さなくなります。「やってみたい」よりも「間違えたくない」が先に来るようになります。
この連鎖は、意識しないと止まりません。
ママ自身も「自信がない」と感じている
レッスンに来るママたちと話していて感じるのは、多くのママが自分自身に自信を持てていないということです。
「私は音楽のことわからないから」「子育て、うまくできてるかわからない」「他のお母さんはもっとちゃんとやってるのに」
ママが自分を信じられないと、子どもに「あなたならできるよ」と言ってあげることが難しくなります。自分にOKを出せない人が、子どもにOKを出すのは簡単なことではないからです。
ママが自信を持てたとき、子どもの世界が広がる
逆のことも、たくさん見てきました。
ママが「大丈夫、やってみよう」と笑顔で見守れるとき、子どもは驚くほど自由に挑戦します。
あるレッスンでの出来事
最初の体験レッスンで、ずっとママの後ろに隠れていた子がいました。
ママも緊張していて、「すみません、うちの子、人見知りで…」と何度も謝っていました。
でも、レッスンを重ねるうちに、ママの表情が変わっていきました。「この子、こんなこともできるんだ」という発見が増えて、ママ自身が笑顔になっていった。
ママが楽しそうにしていると、その子も少しずつ前に出てくるようになりました。ある日、初めて自分から鍵盤に手を置いて、一音弾いた。そのとき、ママが泣きそうな顔で笑っていたのを、今でも覚えています。
変わったのは子どもだけじゃなかった。ママが先に変わったんです。
子どもの成長を支えるために、まずママ自身が「自分は大丈夫」と思えること。それが、いちばんの出発点だと私は思っています。
ピアノが「ママの自信」を育てる場所になれる
ピアノ教室というと、子どもが技術を学ぶ場所だと思われがちです。
もちろん、それも大切なことです。でも私は、ピアノ教室には別の役割があると思っています。
「うちの子、すごいかも」という体験
レッスンの中で、子どもが何かをできるようになる瞬間があります。
昨日まで弾けなかったフレーズが弾けた。自分で新しい音を見つけた。先生と一緒に連弾を楽しんだ。
その瞬間を横で見ているママの顔は、子ども以上に輝いています。
「この子、がんばってる」「この子、すごいかも」──そう感じる体験が、ママの自信を少しずつ育ててくれます。「私の子育て、間違ってなかったかも」と思える瞬間になるんです。
ピアノ教室は、ママにとっても「居場所」になれる
子育ては孤独になりがちです。ママ友に相談しても、比べられているような気がしてしまうこともあります。
ピアノ教室が、子どものためだけの場所ではなく、ママが安心して「うちの子のことを話せる場所」になれたら。先生と一緒に子どもの成長を喜んで、ちょっとした不安も共有できる場所になれたら。
そういう教室をつくりたいと思っています。
私がピアノノギフトで変えたいこと
私がピアノノギフトを通して本当にやりたいことは、ピアノを教えることだけではありません。
ママがもっと自信を持って、子どもの挑戦を笑顔で送り出せる。そういう空気をつくること。それが、ピアノノギフトのいちばん大きな使命です。
日本の音楽教育には「正しく弾くこと」が求められてきた長い歴史があります。間違えないこと。先生の言うとおりに弾くこと。コンクールで結果を出すこと。
その文化の中では、子どもは常に「評価される側」です。ママも「子どもの結果で評価される側」になってしまう。
私は、その空気を変えたいんです。
「正しさ」よりも「楽しさ」を先に
弾き方が正しいかどうかより、弾いていて楽しいかどうか。
他の子より上手かどうかより、昨日の自分よりちょっとできたかどうか。
子どもがそう感じられるレッスンをつくることが、ママの「うちの子は大丈夫」という感覚につながっていく。そして、その感覚が、次の挑戦を許す勇気になる。
ピアノを入り口にして、親子の間に「挑戦してもいいんだ」という空気をつくっていきたい。それが、小さな教室から始まる文化の変化だと信じています。
がんばっているママへ
今、これを読んでくれているあなたは、きっと毎日がんばっています。
子どもに何かを習わせたいと思っている。でも、本当にこれでいいのか迷っている。他のお母さんと比べて、自分はちゃんとできているのか不安になる。
大丈夫です。その迷いや不安は、子どものことを真剣に考えている証拠です。
完璧なママなんていません。完璧じゃなくていいんです。
あなたが「やってみようか」と一歩踏み出したとき、お子さんもきっと同じように一歩踏み出します。
その一歩を、いっしょに応援させてください。
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