「先生、うちの子、大丈夫ですか?」
ピアノの先生をしていて、一番多く聞かれる質問がこれです。練習しない、上達が遅い、集中力がない、他の子より進度が遅い。さまざまな不安を抱えたお母さんが、恐る恐るこの言葉を口にします。
今日は、この質問への先生としての答えをお伝えします。
先生の本音:「大丈夫ですよ」
ほとんどの場合、答えは「大丈夫です」。
なぜなら、「大丈夫ですか?」と聞いてくるお母さんのお子さんは、大丈夫だからです。お母さんがそれだけ気にかけている時点で、お子さんは十分な愛情を受けて育っています。本当に心配な状況なら、先生のほうから声をかけます。
お母さんが不安に感じている「問題」の多くは、成長の過程で自然に解決するものです。今は練習しなくても、いつか弾きたい曲に出会ったとき自分から練習するようになる。今は進度が遅くても、ある日突然ぐんと伸びる。子どもの成長は、大人が思うほど直線的ではありません。
よくある「大丈夫ですか?」と先生の答え
「練習しないんですが、大丈夫ですか?」。練習しない時期は誰にでもあります。今は音楽以外のことに興味が向いている時期かもしれません。レッスンに来てくれている限り、音楽との接点は途切れていません。それだけで十分です。
「他の子より遅いんですが、大丈夫ですか?」。進度は個人差があります。遅いことは悪いことではありません。ゆっくり進む子のほうが、一つひとつの曲を深く理解していることもあります。比べるべきは他の子ではなく、半年前のお子さんです。
「レッスン中ふざけてばかりですが、大丈夫ですか?」。ふざけるのは、先生の前でリラックスできている証拠です。緊張してガチガチの子より、ふざけられる関係性のほうが、長い目で見ると伸びます。ふざける中にも、ちゃんと音楽を吸収しています。
「うちの子、才能ありますか?」。才能があるかないかは、正直わかりません。でも一つ言えるのは、ピアノを「好き」でいてくれるお子さんは、それだけで可能性の塊だということです。好きという気持ちが、すべての土台です。
「大丈夫じゃない」ときは先生から伝えます
もし本当にお子さんの様子に気になることがあれば、先生のほうからお伝えします。レッスン中の態度が急に変わった。表情が暗い。音に元気がない。そうしたサインを見逃さないのが、先生の仕事です。
だから、「大丈夫ですか?」と聞いて「大丈夫ですよ」と言われたら、本当に大丈夫です。先生を信じてください。そして何より、お子さんの力を信じてください。
「大丈夫ですか?」と聞かれるたびに、私はこう思います。このお母さんは、こんなにもお子さんのことを考えている。それだけで、お子さんは幸せだと。大丈夫ですよ、お母さん。あなたが「大丈夫かな」と思ってくれている、その気持ちこそが、お子さんの一番の味方です。
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