「失敗するくらいなら、やらない」――そんなわが子に、もどかしさを感じていませんか?
間違えるとすぐ泣く。できなさそうなことには手を出さない。発表会も「出たくない」。失敗を怖がる子どもは、実はとても多いです。
この記事では、失敗を「ただの失敗」で終わらせず、「経験」に変えて成長につなげる方法をお伝えします。わたし自身がピアノで経験した失敗と遠回りの話も、正直にお話しします。
- 結論|失敗は「振り返り」で経験に変わる
- 子どもが失敗を怖がる3つの理由
- 失敗を経験に変える「3つの問い」
- 私の場合|1位を取ってもすり減った日々と、遠回りの先で見つけたもの
- 今日からできる3つのステップ
- よくある質問
- まとめ
1.結論|失敗は「振り返り」で経験に変わる
失敗を振り返ったとき、それは「経験」になる。
同じ失敗をしても、そこから成長する子と、ただ落ち込んで終わる子がいます。そのちがいは、才能でも性格でもなく、失敗のあとに「何があったか」です。
失敗のあとに責められれば、子どもは「失敗=こわいもの」と学びます。失敗のあとに一緒に振り返ってもらえれば、子どもは「失敗=次へのヒント」と学びます。
つまり、失敗を経験に変えるカギは、失敗のあとの関わり方にあるのです。
2.子どもが失敗を怖がる3つの理由
| 理由 | 子どもの心の中 |
|---|---|
| ① 失敗すると怒られる・がっかりされる | 「間違えたら、ママが悲しい顔をする」 |
| ② 結果だけを見られている | 「できたかどうか、しか見てもらえない」 |
| ③ 失敗から立ち直った経験が少ない | 「失敗したら、もう終わり」 |
どれも、子どもが悪いわけではありません。失敗したあとに「大丈夫だった」という経験が足りていないだけなのです。
3.失敗を経験に変える「3つの問い」
失敗したあと、落ち着いたタイミングで、子どもと一緒にこの3つを考えてみてください。
失敗の中にも、うまくいったところは必ずあります。まずはそこを見つけることで、子どもは「全部ダメだったわけじゃない」と思えます。
責めるためではなく、事実を確認するための問いです。「最後のところで指がもつれたね」のように、具体的に言葉にします。
ここが一番大切。「ゆっくり練習する」「もう1回だけやってみる」など、次の小さな一歩を子ども自身に決めてもらいます。
この3つの問いを通ると、失敗は「終わったこと」から「次につながるデータ」に変わります。
4.私の場合|1位を取ってもすり減った日々と、遠回りの先で見つけたもの
わたしは3歳からピアノを始め、音楽高校、音楽大学へと進みました。高校時代には「1位じゃないと意味がない」という価値観の中でピアノを弾き、一度は1番も経験しました。
でもそのあと、大学では「結果を出さなければ」という強迫観念に縛られ、結果を残しても何かを得た感覚がなく、むしろすり減っていきました。結果だけで自分を測っていたから、どんな結果も「経験」にならなかったのだと、今は思います。
そこから抜け出すまでに、わたしはとても遠回りをしました。身近な人に「わたしらしいって何?」と聞いたり、音楽以外の世界で自分らしく生きる人たちに出会ったり。恥ずかしい思いもして、失敗もたくさんしました。
でも、その遠回りと失敗があったからこそ、誰かに指示された価値ではなく、自分で考えて気づいた「自分オリジナルの指針」が、今ぼんやりと見つかりつつあります。
失敗は、振り返って意味を見つけたとき、はじめて経験になる。わたし自身が、それを遠回りしながら学んできました。
だからこそ、子どもたちには結果ではなく、失敗から何を見つけたかを大切にしてほしい。そう思いながら、レッスンで子どもたちと向き合っています。
はじめて「経験」になる。
5.今日からできる3つのステップ
泣いている、怒っている最中に振り返りはできません。「悔しかったね」「がんばったのにね」と、まずは気持ちに寄り添うことから始めましょう。
何がうまくいった?どこでつまずいた?次はどうしてみる?親が答えを言うのではなく、子どもに考えてもらうのがポイントです。
結果がどうであれ、「もう一回やってみたね」「自分で考えたね」と、挑戦したことを言葉にして認めます。これが「失敗しても大丈夫」という経験になります。
6.よくある質問
- Q.失敗しそうなとき、先に教えてあげたほうがいい?
- 危険がない範囲なら、あえて見守るのもひとつの方法です。失敗したあとに一緒に振り返ることで、子どもは自分で考える力を身につけていきます。先回りしすぎると、失敗から学ぶ機会が減ってしまいます。
- Q.失敗するたびに大泣きして、振り返りどころではありません。
- まずは気持ちが落ち着くまで待ちましょう。振り返りは、その日の夜や翌日でも大丈夫です。泣くほど悔しいのは、本気で取り組んでいた証拠でもあります。
- Q.親自身が失敗を怖がってしまいます。
- 親が失敗したときに「失敗しちゃった、次はこうしてみよう」と口に出してみるのもおすすめです。親が失敗から立ち直る姿は、子どもにとって何よりのお手本になります。
7.まとめ
- 失敗は、振り返ったとき「経験」に変わる
- 子どもが失敗を怖がるのは、失敗のあとに「大丈夫だった」経験が足りないから
- 振り返りの3つの問い:何がうまくいった?どこでつまずいた?次はどうしてみる?
- 私の場合、結果だけで自分を測っていた時期は、どんな結果も経験にならなかった。遠回りと失敗の先に、自分の指針が見つかりつつある
- 今日からできること:気持ちを受け止める/3つの問いで振り返る/次の一歩を認める
失敗しない人生なんて、ありません。だからこそ、子どもに本当に手渡したいのは、失敗しない力ではなく、失敗を経験に変えて成長する力です。
その力は、失敗したあとに、そばで一緒に振り返ってくれる大人がいることで育っていきます。
ピアノノギフト 主宰 湖苗美
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