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「失敗」は、失敗ではない|立ち直る力と、好奇心を持って新しいことを試し続ける重要性

うまくいかなかったとき、私たちはそれを「失敗」と呼びます。
でも、歩きはじめたばかりの赤ちゃんが転んだとき、それを「失敗」と呼ぶ人はいるでしょうか。
転んで、立ち上がって、また一歩踏み出す。赤ちゃんは、その姿で、私たちに大切なことを教えてくれています。
今日は、「失敗」は失敗ではないという考え方と、立ち直る力、そして好奇心を持って新しいことを試し続けることの大切さについてお話しします。
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赤ちゃんは、1時間に17回転んでいる

ニューヨーク大学の研究チームが、歩きはじめた1歳前後の子どもたちの自由な遊びの様子を観察したところ、驚くような結果が出ました。

約2,400歩1時間に歩く歩数
約17回1時間に転ぶ回数

参考:Adolph et al.(2012)「How Do You Learn to Walk? Thousands of Steps and Dozens of Falls per Day」Psychological Science

1時間に17回。1日に換算すると、何十回も転んでいる計算です。それでも子どもたちは、歩くことをやめません。転ぶたびに立ち上がり、また歩き出す。そして、気づけば上手に歩けるようになっているのです。

私たちは、赤ちゃんが転ぶ姿を見て「失敗した」とは思いません。それは、歩けるようになるための、ごく自然な一歩だとわかっているからです。

転ぶことは、歩けるようになるための一部。
「失敗」は、成長の途中にある、ただの通過点。

「失敗」が本当に失敗になるとき

では、「失敗」が本当に失敗になるのは、どんなときでしょうか。

それは、うまくいかなかったときではなく、試すことをやめてしまったときなのかもしれません。

失敗に見えること実は
うまく弾けなかった弾けるようになる途中
思った結果が出なかった次に試すことが見つかった
恥ずかしい思いをした新しいことに挑戦した証
遠回りをしたほかの道を知ることができた

うまくいかなかった経験そのものは、失敗ではありません。それを「もうやらない」と終わらせるか、「次はどうしよう」とつなげるか。その選択が、失敗を失敗にするかどうかを決めているのです。

立ち直る力とは

うまくいかないことがあっても、しなやかに回復して、また前に進める力。それが「立ち直る力」です。心理学では「レジリエンス」とも呼ばれます。

立ち直る力は、生まれつき決まっているものではなく、毎日の経験の中で少しずつ育っていくものだと言われています。そして、その土台になるのは、こんなことです。

1. 気持ちを受けとめてもらえる

悔しい、悲しい、恥ずかしい。その気持ちを「そうだったね」と受けとめてもらえた経験が、心の回復力の土台になります。

2. 帰れる場所がある

転んでも、戻ってきて安心できる場所がある。その安心感があるからこそ、子どもはまた外の世界に挑戦していけます。

3. 経験に意味を見つけられる

「あの経験があったから、今がある」。うまくいかなかった出来事にも意味を見いだせると、人は前を向いて歩き出せます。

好奇心が「試し続ける力」になる

立ち直る力と並んで、もうひとつ大切なのが「好奇心」です。

赤ちゃんが何度転んでも歩こうとするのは、がんばっているからというより、「あっちに行ってみたい」「あれをさわってみたい」という好奇心があるからです。知りたい、やってみたいという気持ちが、転ぶ痛みよりも大きいのです。

好奇心は、失敗への不安を小さくしてくれます。「うまくいくかな」ではなく「どうなるんだろう」。そう思えると、新しいことへの一歩がぐっと軽くなります。

子どもはもともと、好奇心のかたまりです。大人にできるのは、その好奇心をしぼませないこと。「危ないからやめなさい」「どうせできないよ」ではなく、「おもしろそうだね」「やってみたら?」と背中を押してあげることです。

立ち直る力と好奇心を育てる5つの習慣

1. 大人が自分の「失敗談」を話す

「ママも今日、こんな失敗しちゃった」と笑って話す。大人の失敗談は、「失敗しても大丈夫なんだ」という何よりのメッセージになります。

2. 「どうだった?」より「何がおもしろかった?」

結果を聞くより、楽しかったこと、発見したことを聞いてみる。うまくいかなかった日にも、何かしらの「おもしろかった」が見つかるはずです。

3. 月にひとつ、新しいことを試す

新しい曲、新しい公園、新しい料理。小さな「はじめて」を家族で楽しむ習慣が、好奇心を育てます。

4. 転んだら、抱きしめて、また送り出す

うまくいかなかったときは、まず受けとめる。そして気持ちが落ち着いたら、「また行っておいで」と送り出す。この往復が、立ち直る力を育てます。

5. 結果ではなく「挑戦」をお祝いする

うまくできたかどうかより、新しいことに挑戦したこと自体を、家族でお祝いしましょう。

ピアノは、失敗と好奇心の練習場

ピアノの練習は、まさに「転びながら歩けるようになる」ことのくり返しです。新しい曲は、新しい冒険。最初はつっかえて、間違えて、それでも少しずつ弾けるようになっていく。

「この曲、どんな響きがするんだろう」という好奇心が、何度間違えてもまた鍵盤に向かう力になります。そしてその経験は、ピアノ以外の場面でも、子どもを支える力になっていきます。

大人こそ、新しいことを試し続けよう

大人になると、失敗を避けるようになりがちです。慣れたやり方、うまくいくとわかっていること。それは安心だけれど、新しい発見は少なくなってしまいます。

子どもに「失敗を恐れないで」と伝えたいなら、まずは大人自身が、好奇心を持って新しいことを試し続ける姿を見せること。それが、何よりの教育なのかもしれません。

母になって、私の毎日は「はじめて」だらけになりました。
新しい街での暮らし、はじめての道での運転、日常のvlog撮影。思うようにいかないことも、たくさんあります。
それでも、はじめての道を運転して無事に帰れた日には、自分で自分に拍手しました。
息子も、これから何度も転びながら、歩くことを覚えていくのでしょう。
そのとき、転んだことを「失敗」ではなく「歩けるようになる途中」だと思える母でいたい。
そして私自身も、何歳になっても、好奇心を持って新しいことを試し続ける人でいたいと思っています。

おわりに

「失敗」は、失敗ではありません。それは、歩けるようになる途中の、ひとつの転び方にすぎない。

転んでも立ち上がる力と、「やってみたい」という好奇心。このふたつがあれば、子どもも大人も、何度でも新しい一歩を踏み出していけます。

ピアノノギフトでは、子どもたちの「やってみたい」と「もう一回」を大切にしています。
音楽のこと、子育てのこと、どうぞお気軽にご相談ください。
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