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ピアノ練習中のイライラ──子どもも、ママも、悪くない

ピアノの練習中、子どもがイライラして弾かなくなる。

それを見て、ママもイライラしてしまう。

我慢すればモヤモヤが残る。感情的になれば「怒りすぎた」と後悔する。

どうすればいいのか、わからなくなったことはありませんか?

今日は、「子どもが悪い」でも「ママが悪い」でもない、第三の答えをお話しします。

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練習中のイライラ、どちらの立場もわかる

子どもの気持ちを想像してみてください。

うまく弾けない。何回やってもできない。楽しくない。でも「やりなさい」と言われる。そりゃあ、イライラします。

次に、ママの気持ち。

せっかく習わせているのに練習しない。声をかけても不機嫌になる。ピアノの前でダラダラされると、つい「ちゃんとやって」と言いたくなる。

子どももママも、悪くない。どちらも「うまくいかない」という同じ壁にぶつかっているだけです。

我慢してもダメ、怒ってもダメ──その板挟み

多くのママが経験しているのが、この板挟みです。

我慢した場合

イライラを飲み込んで、黙って見守る。でも心の中にはモヤモヤが溜まっていく。

「なんで自分ばかり我慢してるんだろう」「こんなに頑張って通わせてるのに」。その気持ちが積もって、ある日突然爆発してしまうこともあります。

感情的になった場合

つい「もう弾かなくていい!」と言ってしまう。子どもは泣く。ピアノの蓋が閉まる。

あとから「あんな言い方しなくてよかった」と後悔する。子どもの中に「ピアノ=怒られる」の記憶が残ってしまうのが、いちばん怖いことです。

我慢も爆発も、根本的な解決にはなりません。じゃあどうすればいいのか。答えは「気持ち」ではなく「仕組み」を変えることにあります。

気持ちではなく「練習環境と仕組み」を見直す

イライラの原因は、子どもの性格でもママの忍耐力でもありません。

多くの場合、練習の「仕組み」がその親子に合っていないだけです。

仕組みを変えれば、気持ちは自然とついてきます。見直してほしいポイントは3つあります。

① 練習の「時間」を見直す

夕方の疲れた時間に練習していませんか?お腹が空いている時間、眠い時間ではありませんか?

子どもにとって、コンディションがいい時間帯は一人ひとり違います。朝が得意な子もいれば、おやつのあとが調子いい子もいる。

「毎日この時間」と決めるのは大切ですが、その時間が合っているかどうかを一度疑ってみてください。5分の練習を、子どもがいちばん元気な時間に持ってくるだけで、驚くほど変わることがあります。

② 練習の「場所と距離感」を見直す

ママがずっと隣にいると、プレッシャーに感じる子がいます。逆に、一人だと不安で弾けない子もいます。

ここで考えてみてほしいのが、「距離感」のバリエーションです。

最初から最後までママが横にいるパターン。完全に一人で弾くパターン。前半は一人で弾いて、最後だけ「聴いて!」とママを呼ぶパターン。

どれが正解かは、子どもによって違います。大事なのは、「うちの子にはどの距離感がちょうどいいか」を見つけること。これは試してみないとわかりません。

③ 練習の「量と内容」を見直す

「毎日30分」と決めていませんか?その30分、本当に必要ですか?

集中できる3分のほうが、ダラダラの30分より何倍もいい。これは、幼稚園で何百人もの子どもたちを見てきた実感です。

「今日はこの4小節だけ」「右手だけ2回」。それくらい小さくてOKです。終わったら、おしまい。それ以上やらなくていい。

子どもと一緒に「約束」をつくろう

仕組みを変えるとき、ママが一人で決めるのではなく、子どもと一緒に決めてほしいんです。

「約束」は一緒に決めるから守れる

「毎日練習しなさい」はママの命令です。でも、「いつ弾く?」「どのくらいやる?」と子どもに聞いて、一緒に決めたことは「約束」になります。

命令は破りたくなるけれど、自分で決めた約束は守りやすい。これは大人も子どもも同じです。

「おやつのあとに1回だけ弾く」「お風呂の前に右手だけやる」。子どもの言葉で出てきた約束を、そのまま採用してみてください。

約束は「変えていい」ことにする

最初に決めた約束が、ずっとうまくいくとは限りません。

「おやつのあと」と決めたけど、おやつのあとは遊びたくなってダメだった。それなら「朝ごはんのあと」に変えてみる。

約束を変えることは、失敗ではありません。「やってみたら違った。じゃあ次はこうしよう」。それだけのことです。

ママが「約束は変えてもいいよ」というスタンスでいるだけで、子どもは安心します。「できなかったらどうしよう」というプレッシャーが減るからです。

すべてはベビーステップで

練習の仕組みを変えよう、約束をつくろう。そう書くと、なんだか大変そうに感じるかもしれません。

でも、一気にやらなくていいんです。

小さな一歩が、いちばん確実

今週は、練習の時間を10分ずらしてみる。それだけ。

来週は、「最後だけママが聴く」スタイルを試してみる。それだけ。

再来週は、子どもと「いつ弾く?」を相談してみる。それだけ。

一つずつ試して、合わなかったら戻す。合ったら続ける。ベビーステップで少しずつ変えていけば、いつの間にか親子の練習時間が穏やかなものに変わっていきます。

完璧な練習環境を最初からつくる必要はありません。子どもと一緒に試行錯誤しながら、「うちのスタイル」を見つけていく。その過程そのものが、親子にとって大切な時間になります。

子どもも、ママも、悪くない

もう一度言います。子どもが練習中にイライラするのは、自然なことです。ママがそれにイライラするのも、自然なことです。

誰かが悪いわけではありません。仕組みが合っていないだけ。

だから、自分を責めないでください。子どもを責めないでください。

代わりに、一緒に「どうしたらうまくいくかな?」を考えてみてください。

その「一緒に考える」という姿勢そのものが、子どもにとって最高のお手本になります。うまくいかないときに、誰かを責めるのではなく、仕組みを見直す。その力を、ピアノの練習を通じて身につけていけたら、それはもうピアノ以上の贈り物です。

練習のやり方に迷っているママへ

ピアノノギフトでは、レッスンの中で「お家での練習の仕方」も一緒に考えています。

その子の性格や生活リズムに合わせた練習スタイルを、ママと相談しながら見つけていきます。「毎日バトルになっている」「どう声をかけていいかわからない」。そんなお悩みも、遠慮なくお聞かせください。

レッスンはお子さんのためだけではありません。ママが安心して見守れるようになるための時間でもあります。

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この記事を書いた人

pianonogiftのアバター pianonogift 東京都出身。東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業。 フォルクヴァンク芸術大学(ドイツ)短期留学奨学生。 在学中、東京文化会館やサントリーホール等多数演奏会に出演する他、私立幼稚園で音楽講師も務める。 第41回ピティナピアノコンペティション特級銅賞。 第12回北本ピアノコンクールG部門(大学生)第1位、及び最優秀賞。 第18回日本演奏家コンクール第2位(大学生の部)。 東京フィルハーモニー交響楽団、ウィーン岐阜管弦楽団と協演。 かずさFM、TBSラジオ「檀れい 今日の1ページ」出演。

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